こんにちわ、こっぺです。
先日、新入社員の子と話していたら「辞めようと思っています」と相談されました。
その時のことを記事にしてみました。
同じ悩みを持つ人や、新入社員を部下に持つ中堅社員の方に見ていただければと思います。
新入社員の子が「辞めようと思っている」と相談してきた
新入社員の子が僕に相談してきたんです。
「辞めようと思っているんです」と。
その子は昨年うちの会社に入社してきた男の子。
高校卒業後、うちの会社に入社し、僕と同じ店で食肉部門に配属された。
その子が働く食肉部門と僕が働く水産部門は隣同士で、その子とはよく顔を合わせている。
その子は高校時代、ちょっと尖っていたらしく、若干生意気な感じはあるが、いつも元気で明るい子だ。
入社してから1年間、その子は主任の指示のもと、真面目に働いている。
その子が僕に今の気持ちを話してくれた。
今、仕事をしていてもつまらないし、会社に不信感を抱いている。
他に仕事の誘いを受けていることを教えてくれた後に
「辞めようと思っている」と相談してきてくれた。
新入社員の子が「辞めよう」と思っている理由
どうして新入社員の子が「辞めよう」と思っているのか。
上でもちょっと書いたけど
「仕事がつまらない」
「人間関係」
「会社に不信感を抱いている」
という、三つの理由がある。
これをもう少し詳しくし紹介します。
仕事がつまらない
その子が口にした理由の一つは「仕事がつまらない」だった。
その子は入社してから、商品陳列、値段付け、値引きの3つを主に担当している。
言い換えると、1年間、それしかやらせてもらえなかった。
その子から「仕事がつまらない理由」を聞き出してみた。
新しいことを教えてくれないことへの不満
その子は、新しいことを教えてもらないことに不満を持っている。
その子は肉の加工や商品作りをしてみたいと思っている。
でも「新入社員という立場」と「かなり歳上で職人気質の先輩社員が肉の加工を担当していること」があって中々切り出せないでいる。
彼の気持ちを察して、部門長に言ってくれる社員・パートさんもいない。
何も新しいことを教えてもらえない。
「自分から教えてくださいと言えばいいじゃないか?」
という意見があるでしょう。
でも、自分よりかなり年上の人にそう言うことを簡単に言えるでしょうか?
僕だったら怖くて言えませんし、言う側が楽なだけ。
毎日、同じ仕事の繰り返しでつまらないと感じていた。
部門長・部門担当者がその子を育てようとしていない
うちの会社全体に言えることなのだけれど、部門長・部門担当者の「人材育成への意識」がとことん低い。
同じく部門長もその子を育てようとは考えていない(ように感じる言動が多い)。
ある日、部門長が「うちの部門は適当だよ、適当」とその子に話していた事がある。
その子にしてみればその言葉はかわいそうにも感じた。
部門長はその子の育成に関しても適当だ。
その子は、成長したい自分の気持ちを察してくれない部門長や会社に悲しさを感じている。
「昔ながらの教え方」
食肉部門には古参で職人気質の社員がいるんだけど、この人の「昔ながらの教え方」も原因の一つになっている。
僕が入社した頃も同じような傾向があって、ほとんどの社員が「仕事は先輩の仕事を見て盗むもの」と考えている。
職人気質の社員は昔ながらの「仕事は見て盗むもの」という考えがあるのか、自分から教えようとしない。
その子の立場から言えば「教えてくれようとしない」と捉えられる。
この教え方は、今の若い世代には通用しないし、辛い習慣なんだな。
人間関係が上手くいってない
その子は、人間関係が上手くいっていないことを「やめようと思っている」理由の一つに挙げていた。
主に上手くいっていないのは、古参の社員だ。
職人気質の古参の社員に話しかけても無視されるらしく、それに悩んでいた。
同期とのスキルの差が開く焦り
その子は水産部門の同期と自分を比較して焦りを感じていた。
隣の水産部門にいる同じ学校出身で同期の子は、値引きの他にも魚加工全般を体験している。
なのに、自分は肉の加工を教えてもらえず、商品陳列・値段付け・値引きをやっているだけ。
水産部門の同期の子は、新しいことを次々と教えてもらっているのに、自分は教えてもらえていない。
同じ会社にいれば、同期は仲間でありライバルでもある。
そのライバルと力の差がひらけば誰だって焦りを感じる。
その焦りが積もって、モチベーションを下げていた。
【参考】会社の部門長が人を育てようとしない理由
参考までに、うちの会社に22年いる僕が、「部門長が人を育てない理由」を挙げておきます。
新入社員へ加工を教えるときに発生するロスを怖がる傾向
肉・魚・惣菜、生鮮三部門に共通する「加工」を新入社員に教える際には必要以上にロスが出る。
肉・魚・寿司ネタカットの際の歩留まりが必要以上に低下して値入れ率を下げたり、加工に失敗して捨てたり安く売ってしまうなど、基準以上のロスが出る事があるからだ。
そのロスを嫌がる・怖がる部門長・部門担当者が多いのもうちの会社の特徴。
熟練した担当者が加工・商品作りをした方が、ロスを出さずに売上が取れるから優先してしまう。
その子にやらせてもらえる訳も無い
時間の確保ができない・しない
時間的にも、人材育成に費やす時間をもったいなく感じる担当者も多い。
会社は今、典型的な官僚制組織になっていて、とにかく無駄な業務や報告を増やされている。
担当者としても、業務が増えているからそちらに費やす時間を優先し、その子を育てる時間的余裕を作れないし、作らない。
食肉部門も例に漏れず、その子へ清掃などのルーティーンを任せて自分の業務を優先しているので、時間を作れないし、作ろうとしない。
会社への不信感
その子の「辞めようと思っている」もう一つの理由が会社への不信感だった。
その子から聞き出した「会社に対する不信感」を挙げます。
一貫性のない政策
その子が言っていた会社に対する不信感の一つに「一貫性のない政策」があった。
うちの会社は今の体制になってから、本部からの指示に一貫性を感じられない。
だから、指示の方向性がコロコロ変わるので、現場ではオペレーションを変えるコストが頻繁にかかる。
指示やオペレーションが変わっても、大きく結果が良くなるわけでなく、現状維持か逆に悪化することが多いので、結果的に現場の負担が大きくなる。
そんな指示を出す会社に、その子は不信感を持っていた。
従業員への”気持ち”が感じられない
その子は会社の”従業員に対する気持ち”も会社の不信感を大きくしている理由の一つだと話していた。
今の会社は社内報などで、従業員を大事にするような文面を載せたり、会議で発言をしているけども、従業員はそう感じていない。
言葉と政策が一致していないからだ、例えばこんな感じ。
- やることは増やすのに、残業はするなとか言う
- 人件費を削減するために、オペレーションの整備も従業員への説明もなしに、担当者数を減らすと言っている
- ルールでがんじがらめにしている
その子は1年間、会社の従業員を思う気持ちを感じられていなかった。
と同時に、自分への気持ちも感じられなかったのだろう
昇進制度
その子は、会社の昇進制度にも不信感を感じていた。
うちの会社の人事は全て社長が決める。
明確な基準はない。
社長は、自分にとって好印象の社員を昇進させる傾向が強い。
つまり、公平な人事評価と昇進制度がない。
「結局、社長に気に入られた人しか昇進・昇格しない」
と会社への不信感と会社にいる自分の将来に不安を募らせていた。
僕はその子に言ってやった
なるほど、よくわかった。
だから、僕はその子に言ってやった。
そこまで踏まえて辞めようと思っているなら、辞めた方がいいよ。
毎日、つまらない仕事をしてて辛いべ?
給料が良いとか悪いとか、そんな問題じゃねーしな。
あなたはまだ若いんだ、道は他にいくらでもあるさ。
人生の軌道修正は早いほうがいいよ。
と。
育ててもらい、自分も頑張り、自分自身の成長を感じられて、それが成果につながることが仕事の面白さの一つだと思っています。
仕事が面白ければ、毎日が充実します。
その面白さを感じられない仕事に長期間携わることは、その子の毎日・人生にとってプラスにならない。
その子にはやる気があるけど、部門や会社が自分の成長に興味がないことは明確。
部門を親、その子を子供、部門とその子の関係を親子に置き換えて考えてみれば、親に興味を持ってもらえない子供ってかわいそうだし、その子は寂しいし、毎日が辛いと思います。
親なら、子供の成長・気持ちに関心を持ってあげるべきです。
家族と違って仕事は自分から離れる事ができるので、自分を育ててくれない親を離れて育ててくれるところに行くことができます。
他の仕事に誘われているんだったら、そっちに行ってみるのも一つの道です。
今の仕事に固執する必要はなく、色々な仕事をしてみて、楽しいと思える職場・仕事を天職とすればいいからね。
最後に
同じような悩みを抱えている人に伝えたい。
やる気がある自分を育ててくれない部署・会社にいて、仕事・毎日がつまらないなら、辞めてもいいと思う。
「石の上にも3年」というけれど、今の職場にいる自分の未来が暗そうだったら辞めてもいいと思うよ。
面白くも無い、孤独すら感じるような職場に3年も我慢する必要はないと思う、鬱になってしまうよ。
人生は時間が限られているし、いつの間にか流れていくのよ。
20代なんてあっという間に過ぎるよ。
その限られてあっという間に流れていく時間を、やる気があるのに関心を持ってくれない会社に費やすのはもったいないと思う。
探せばね、他にいくらでもあなたを必要としてくれて、育ててくれる企業があるよ。
「仕事が楽しい」と思える幸せな毎日を過ごしてね。