【第83回】販売士1級 過去問 小売業の類型(平成31年2月20日)

過去問
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この記事で分かること

第1問 大型店出店規制の変遷(正誤問題)

次のア~オは、大型店出店規制の変遷について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(15点)

ア 大規模小売店舗法(大店法)の規制緩和の流れの中で、中心市街地および商店街の活性化は、商業問題としてだけでなく、貧困問題として取り組むことが求められるようになった。

イ 大規模小売店舗立地法(大店立地法)は、「周辺の生活環境の保全」という観点から大型店の出店を調整する法律である。

ウ 大規模小売店舗法(大店法)の制定によって、大規模小売店舗立地法(大店立地法)は廃止された。

エ 1998年の改正都市計画法では、市町村が独自に都市計画区域の用途地域に「市街化調整区域」を指定できるようになった。

オ 2007年の改正都市計画法では、延べ床面積が、10,000㎡超の大規模集客施設が立地できる用途地域を「商業地域」に限定した。

ア:2 イ:1 ウ:2 エ:2 オ:2
【解説】
ア:貧困問題ではなく、「都市問題」の誤り
ウ:順番が逆で「大店立地法」が制定されて「大店法」が廃止になった
エ:「市街化調整区域」ではなく、「特別用途地区」を指定できるようになったので誤り
オ:商業地域だけでなく「準工業地域」「近隣商業地域」も含まれるので誤り

第2問 店舗形態別小売業の戦略的特性(正誤問題)

次のア~オは、店舗形態別小売業の戦略的特性について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 専門店業界では、スマートフォンの普及を背景にネットから実店舗に誘客する「B2B」に取り組むところが増えている。

イ 専門店業界で追及するLTV(Life Time Value)は、顧客1人当たりの粗利益額から、1人当たりの販売諸経費を引き、それに生涯の来店回数を掛けて算出する。

ウ アメリカのデパートメントストアは、「何でもそろい、誰にでも売るよろず屋」としての総合化ではなくむしろターゲットマーケティングを基本とする専門型品ぞろえ小売業態といえる。

エ 総合品ぞろえスーパー業界などが取り組んでいるインストアマーチャンダイジングとは、店舗ごとに商談・仕入れを行うことである。

オ 専門店のCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)とは、狭義には小売業が情報技術を駆使して顧客データベースをもとに、組織的に顧客をサポートしたり、顧客との関係構築をはかったりすることである。

ア:2 イ:1 ウ:1 エ:2 オ:1
【解説】
ア:B2Bではなく「O2O」の誤り
エ:インストアマーチャンダイジングは、店頭における科学的商品政策活動のことで、店舗ごとに商談・仕入を行うことではないので誤り

第3問 チェーンストアに求められる数値マネジメント(文章穴埋め問題)

次の文章は、チェーンストアに求められる数値マネジメントについて述べている。文中の〔 〕の部分に、下記に示すア~オのそれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

チェーンストアでは、一般に、〔ア〕を採用している。アとは、格子の形状に組織を編成したものであり、〔イ〕が縦方向に商品カテゴリーを単位として店舗損益を管理し、本部の〔ウ〕が横方向に部門損益を管理している。
この二重の管理で生じる弊害は、〔エ〕の所在が不明確なものになってしまうという問題である。そこで必要になるのが、誰が、いつ、何を計画し、誰が、いつ、どんな方法で検証し、対策を打つのかという「〔オ〕の意思決定プロセスの確立」と「販売方法別の損益計算の導入」である。

【語群】
ア 1.アメーバ組織 2.分権型組織 3.マトリックス組織 4.集権型組織
イ 1.経営トップ 2.店長 3.売場主任 4.バイヤー
ウ 1.バイヤー 2.人事担当 3.経営トップ 4.店舗開発担当
エ 1.対外的責任 2.任命責任 3.法的責任 4.数値責任
オ 1.職種別 2.職能別 3.職位別 4.職務別

ア:3 イ:2 ウ:1 エ:4 オ:3

第4問 SC(ショッピングセンター)(文章穴埋め問題)

次の文章は、SC(ショッピングセンター)について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記に示すア~オのそれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(15点)

SCは、小売業と不動産業のノウハウをあわせ持つ〔ア〕の集積であり、継続的イノベーションにより進化してきた商業施設である。その収益の源泉はテナントから得られる〔イ〕であり、〔ウ〕を源泉とする小売業とはビジネスモデルに違いがある。
すなわちSC事業は、ディベロッパーが土地・建物などの不動産を開発・所有、あるいは賃貸などで〔エ〕を確保して、それをテナントへ賃貸し、見返りとして得るイを収益源とする。テナントは、賃貸借契約により独占的及び排他的な〔オ〕を取得する。

【語群】
ア 1.エクイティ型 2.アカウンタビリティ型 3.サステナビリティ型 4.ハイブリッド型
イ 1.売買差益 2.手数料 3.配当 4.賃料
ウ 1.売買差益 2.手数料 3.配当 4.賃料
エ 1.公共施設 2.商業床 3.遊休資産 4.無形資産
オ 1.著作権 2.借地権 3.占有権 4.所有権

ア:4 イ:4 ウ:1 エ:2 オ:3

第5問 (記述)

中心市街地活性化法が2006年に改正された。主な改正点は、以下の3つである。改正後の要点について、それぞれ空欄に記述せよ。(25点)

①市街地の改善・商業活性化に加えて、都市福利施設やまち中居住の整備なども支援
②地元商工会議所、商工会、都市整備の公的機関、地権者、商業者からなる「中心市街地活性化協議会」の意見を聞きながら、市町村が作成する。
③内閣に「中心市街地活性化本部」が設置され、その長である内閣総理大臣が認定する

第6問 (記述)

チェーンストアオペレーションのメリットとデメリットをそれぞれ2つ挙げよ。(25点)

メリット:販売機能の分散による事業規模の拡大、集中仕入れによる収益力の向上、マニュアル化によるコスト削減、本部への機能集中による専門力の強化、フラットな組織による迅速な意思決定
デメリット:市場の変化への対応力の不十分さ、地域特性に対する対応力の不十分さ、オペレーションの硬直化、現場社員のモラールの低下
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