【第38回】販売士1級過去問 マーチャンダイジング(平成23年2月16日)

過去問
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第1問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、在庫投資とその管理について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記の語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

在庫管理との関連からみて、小売業の財務管理上、重要となるのが〔ア〕と商品在庫投資管理である。今日、この2つを組み合わせた〔イ〕の管理が重要視されており、それをアルファベットの頭文字で示すと〔ウ〕となる。〔ウ〕は、〔エ〕と商品投下資本回転率の相乗積でも示される。
さらに、この〔ウ〕の値は、商品回転率を「1-〔オ〕」で割った値に、〔エ〕を掛けて求めることができる。

【語群】
1.使用総資本回転率
2.限界利益率
3.売価値入率
4.粗利益率
5.マージン管理
6.GMROI
7.損益分岐点売上高
8.ROE
9.商品投下資本粗利益率
10.経常利益率

ア:5 イ:9 ウ:6 エ:4 オ:3

第2問 (正誤問題)

次のア~オについて、正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 売価還元法は、売価で商品売在庫高を継続的に記録、計算し、常に販売額と直結した売価によって現在の在庫価値を把握しようとするものである。

イ 百分率差異法は、商品回転率が6回転よりも低くなると、基準在庫法よりも変動幅が小さくなるため、一般には商品回転率が6回転以下の場合にすすめられる方法である。

ウ 売上戻りや売上値引の金額表示は、原則として、原価表示を行う。

エ 現品棚卸法は、ある一定の時点における手持ち商品の品種、数量、品質などを実際に調査する方法で、一定期間の在庫の動きを直接把握するための手法の一つである。

オ 金額による継続棚卸は、従来の一般的な財務会計と密接な関係を保ちながら、商品在庫高の管理と仕入を合理的に連結させることをねらいとしている。

ア:2 イ:2 ウ:2 エ:1 オ:1
【解説】
ア:売価還元法は種類や値入率が違う商品毎にグルーピングして原価率を求め、他方で棚卸商品を売価で調べておいて、その売価に原価率を掛けて棚卸商品の原価を求める方法なので、問題文が間違い
イ:百分率変異法は一般的に年間商品回転率6回転以上の商品にすすめられるので間違い
ウ:売上戻りや売上値引きは一般的に売価表示で行うので誤り

第3問 (正誤問題)

次のア~オについて、正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 商品のプロダクト・ライフサイクルにおいては、一般に、市場成長期に利益が最大となり、その後、市場成熟期にかけて利益が逓減する曲線を描く。

イ 一般に、アパレル衣料品やハンドバックなどの流行商品は、歯磨き粉や洗剤などの恒常商品に比べて同一商品カテゴリーに属する品目間の価格差の幅が大きく、プライスラインが多岐にわたる。

ウ ベーシック・ストック・リストの活用における計画期間は1年で、単位期間は通常、月とするが、モデル・ストック・プランの単位期間は週である。

エ 店舗商圏客数を総商圏人口で割った値は商圏カバー率を表し、来店客数を店舗商圏客数で割った値は立寄率を表す。

オ 値引は、特定の商品カテゴリーにおけるすべての品目の販売価格を、特定の時点から一斉、かつ、一律により安い価格に意図的に変更することであり、値下げは、販売する商品カテゴリーにおける特定の品目の販売価格を、販売時点で適宜引き下げることである。

ア:1 イ:1 ウ:2 エ:2 オ:2
【解説】
ウ:?
エ:来店客数を店舗商圏客数で割った値は「集客率」と呼ばれるので、誤り。
オ:値下は特定の商品カテゴリーにおける全ての品目の販売価格を特定の時点から一斉・一律により安い価格に意図的に変更すること、値引きは販売する商品カテゴリーにおける特定の品目の販売価格を、販売時点で適宜引き下げる事であり、問題文では説明が逆になっているので誤り

第4問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、予算差異分析の方法について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記の語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

予算差異分析の方法としては、一般に〔ア〕が利用されており、これは総合予算の差異分析と部門予算の差異分析に分けられる。その部門予算差異分析の一つに〔イ〕があるが、〔イ〕をさらに細分化して、売上高予算について分析する場合、以下のように販売数量差異と販売価格差異に分けて計算する方法がある。

販売数量差異=〔ウ〕×(〔エ〕-予算販売数量)
販売価格差異=(〔オ〕-〔ウ〕)×〔エ〕

【語群】
1.予算単位総利益額
2.項目別(要因)分析法
3.実際売上原価
4.実際販売価格
5.予算(販売)価格
6.財務予算差異分析
7.実際単位総利益額
8.販売予算差異分析
9.損益分岐点分析法
10.実際販売数量

ア:6 イ:8 ウ:5 エ:10 オ:4

第5問 (正誤問題)

次のア~オは、チェーンストアの物流センターについて述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア ディストリビューションセンターは、定番商品を中心とするあらゆる商品在庫を持ち、店舗からの発注を受けるごとにオーダーピッキングによって出荷する機能を担っている。

イ トランスファーセンターは、日配品や生鮮食料品などの流通加工や包装、値付けを一括して行う加工処理センターの形態である。

ウ プロセスセンターは、卸売業からの納品を中継して、店舗別商品カテゴリー別の仕分けと納品を行う。

エ サードパーティー・ロジスティクスとは、メーカー、卸、小売の三者が共同して、効率的な商品の流通のしくみを作ることである。

オ 一括物流に最も早く取り組んだチェーンストアは、HC(ホームセンター)業界であるとされる。

ア:1 イ:2 ウ:2 エ:2 オ:2
【解説】
イ:問題文は「プロセスセンター」に関する説明なので誤り
ウ:問題文は「トランスファーセンター」に関する説明なので誤り
エ:サードパーティー・ロジスティクスとは、基本的には1社が効率的な流通の仕組み(輸配送・商品保管・流通加工)を行うので、誤り

第6問 (記述)

消費者の評価にもとづいて決定される価格の一つに、「心理的価格」がある。その心理的価格の具体的な名称を3つあげるとともに、消費者に与える効果および代表的な商品カテゴリーを答案用紙に簡潔に記入しなさい。(25点)

(1)名称:名声価格
効果:価格がステータスの高さや他者との差別性を示すという点で、消費者に満足感を与える。
商品カテゴリー:高級ブランド品(衣料品、バッグ、時計等)、高級外国車、高級化粧品など
(2)名称:慣習価格
効果:消費者が許容する価格の範囲内で価格を設定しているため、消費者からみると妥当な価格という印象を与える。
商品カテゴリー:缶入り清涼飲料水、チョコレート、ガムなど
(3)名称:端数価格
効果:あえて端数を示すことで消費者に割引やセールをsいていると感じさせ、実際以上に安い印象を与える。
商品カテゴリー:家電量販店の家電製品、スーパーマーケットの食料品や衣料品など

第7問 (記述)

コンビニエンスストア・チェーン業界が生み出した「共同配送システム」の”メリット”を2つ、答案用紙にそれぞれ2行程度の文章で記入しなさい。(25点)

・商品を温度帯、カテゴリー別に共同配送センターに集約し、一括して各店舗に配送することで、1店舗1日当たりの配送車両台数、配送人員の大幅な削減が実現でき、物流配送作業が節約できる。
・各店舗の発注数に応じた商品を共同配送センターで一括混載して配送することで、配送車両の積載効率が高まり、配送ロットが大きくなる。同時に、各店舗における検品時間が削減できる。
・各店舗の発注・販売データや在庫情報をメーカーと共有することで、需要のピークに合わせて商品を計画的に生産できる。
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