第1問(正誤問題)
次のア〜オは、小売業の労働生産性を評価するために用いられる主な指標について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄に記入しなさい。
ア 人件費率とは、粗利益高に占める人件費の割合のことである。
イ 労働分配率とは、売上高に占める人件費の割合のことである。
ウ 人時売上高とは、従業員1人が1時間あたりに得る売上高のことである。
エ 人時生産性とは、従業員1人が1時間当たりに得る当期純利益のことである。
オ 従業員1人当たり守備範囲とは、従業員1人当たりが担当するレジ客数のことである。
ア:2 イ:2 ウ:1 エ:2 オ:2
【解説】
ア:人件費率とは、売上高に占める人件費総額のことであるので誤り
イ:労働分配率は、粗利益高に占める人件費総額のことであるので誤り
エ:人時生産性とは、従業員1人が1時間あたりに得る粗利益額のことであるので誤り
オ:従業員1人当たり守備範囲とは、従業員1人あたりの売場面積のことなので誤り
第2問(穴埋め問題)
次の文章は、発注作業の最適化について述べている。文中の[ ]の部分に、下記に示すア〜オのぞれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号を記入しなさい。
今日、[ア]を中心として普及している多頻度小口納品システムは、小売店舗での[イ]の品揃えの維持・管理を可能とし、[ウ]の改善にも貢献している。一方、発注や[エ]、品出しなどの作業が増えて、コスト増加の原因となっている。
そこで、[オ]が売れ行きを左右する度合いなど、商品ごとの特性を考慮しながら、発注頻度や発注ロットを最適化する必要がある。
【語群】
ア 1.ホールセールクラブ 2.コンビニエンスストア 3.ディスカウントストア 4.アウトレットストア
イ 1.少品種 2.多品目 3.大ロット 4.多品種
ウ 1.値入率 2.粗利益率 3.欠品率 4.人件費率
エ 1.店内加工 2.プライシング 3.ISM 4.荷受け
オ 1.鮮度 2.粗利益率 3.付加価値 4.労働投入量
ア:2 イ:2 ウ:3 エ:4 オ:1
第3問(正誤問題)
次のア〜オは、売場の商品計画や管理について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄に記入しなさい。
ア 品目別の在庫数量は、初期陳列においては販売実績に比例し、補充発注では販売計画数にもとづいて決定する。
イ POSデータにより、売上計上された商品、売上計上されなかった商品、品揃えされていなかったことによって機会損失となった商品、などの情報を抽出できる。
ウ 商品カテゴリー別ROIの計算式は下記の通りである。
商品カテゴリーROI=純利益÷(売場スペース×店平均スペース当たり売場資産価値×売場販売力指数)
エ 下記は、定量発注法による発注数量の計算式である。
発注数量=(発注サイクル+発注リードタイム)×日販予測数量+安全在庫数量−発注時点在庫数量−発注済未入荷残数
オ コーザルデータとは、商品の販売数量に影響を与える天候、気温、湿度などの要因に関する情報のこと
ア:2 イ:2 ウ:1 エ:2 オ:1
【解説】
ア:初期陳列では販売計画数に基づいて、補充発注では販売実績に比例して決めるので、文は誤り。
イ:機会損失となった商品の情報までは抽出できないので誤り
エ:計算式は「定期発注方式」のものなので誤り
第4問(穴埋め問題)
次の文章は、交差比率について述べている。文中の[ ]の部分に、下記に示すア〜オのぞれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号を記入しなさい。
小売業における店舗の[ア]が、どれだけ収益に貢献しているかをみる指標の一つとして交差比率がある。計算式にすると、「交差比率=[イ]×粗利益率」であり、売れ行きがよく、多くの粗利益を獲得できる消費ほど交差比率は[ウ]なる。また一般に、交差比率を高めるために[エ]の商品は、低い粗利益率で[オ]される傾向にある。
【語群】
ア 1.売場効率 2.労務効率 3.在庫 4.販売管理率
イ 1.人時生産性 2.売場坪効率 3.売上原価率 4. 商品回転率
ウ 1.高く 2.低く 3.遅く 4.速く
エ 1.低回転 2.薄利多売 3.PB 4.高品質
オ 1.マークアップ 2.細分化 3.フェイシング 4.レイアウト
ア:3 イ:4 ウ:1 エ:2 オ:1
第5問(記述)
A店の今期の計画値は、下記与件の通りである。①人件費総枠、②従業員合計の1人時単価、の順に計算した上で、③今期の総人時、を求めなさい。
【与件:A店の今期の計画値】
粗利益:600,000,000円
労働分配率:35%
パートタイマー比率:70%
パートタイマーの1人時単価:1,000円
正規社員比率:30%
正規社員の1人時単価:3,000円
①人件費総枠=600,000,000円×35%=210,000,000円
②従業員合計の1人時単価=1,000円×70%+3,000円×30%=1,600円
③210,000,000÷1,600=131,250時間
第6問(記述)
LSP導入に当たり、作業標準化の一般的な手順は下記①〜④の通りである。②と③の手順についてそれぞれ2〜3行で説明しなさい。
①店舗で実施している業務を作業指示可能な範囲で抽出し、業務を作業レベルに分解する。必要に応じて作業を動作レベルまで詳細化する(業務項目の洗い出し)。
↓
②
↓
③
↓
④標準化した作業をコンピューターのマスターファイルに登録し、算出された必要人時の妥当性を検証する(マスター登録と妥当性の検証)
②作業名称が同じでも、店舗や作業員によって作業範囲や手順が異なる作業があれば、統一しておく(作業名称の統一/業務手順の標準化/業務の分類・整理)
③作業を売上や客数によって変動する「変動作業」とそれとは無関係に定量的に発生する「固定作業」に分類する(必要時間の測定)