転職を考え始めた途端、
なぜか不安だけが強くなる──そんな感覚はありませんか。
今の仕事に限界を感じている。
辞めたい気持ちはある。
それなのに、「転職する」と決めきれず立ち止まってしまう。
そんな自分を見て、「自分は弱いのでは」と責めてしまう人も多いはずです。
この記事は、
転職したい気持ちはあるのに、不安が強くて動けない人
に向けて書いています。
特に、30代〜40代で、これまでの経験や責任を簡単に手放せず、
勢いではなく、ちゃんと考えて決めたい人ほど、
転職の不安は強くなりがちです。
この記事でお伝えするのは、
転職の成功法でも、今すぐ動くための方法でもありません。
「なぜ、転職はこんなにも不安になるのか」
その理由を言葉にして整理することが目的です。
僕自身も、現職を離れたいと思いながら、
「今動いていいのか」と何度も立ち止まってきました。
転職が不安になるのは、弱さではなく、
これまでを真剣に考えてきた人ほど起きやすい反応です。
このあと本文では、
転職が不安になる理由を5つに分けて整理していきます。
いきなり答えを出さなくていい。
まずは、不安の正体を知るところから始めてみてください。
①転職後の姿が具体的に想像できないから

転職を考えるとき、
多くの人は「今の仕事の不満」ははっきり言葉にできます。
忙しすぎる。
評価されない。
このまま続けても先が見えない。
一方で、「転職後の自分」はどうでしょうか。
どんな仕事をして、どんな一日を過ごしているのか。
そこまで具体的に思い描ける人は、実はあまり多くありません。
人は、分からない未来に対して、想像以上に強い不安を感じます。
それはネガティブだからではなく、脳の自然な反応です。
「今の状態はつらい」
「でも、次がどうなるか分からない」
この二つが同時に存在すると、人は立ち止まります。
そして、その立ち止まりを「自分の弱さ」だと勘違いしてしまいます。
僕自身も、
「接客力や人材育成力を活かしたい」という気持ちはあっても、
それが具体的にどんな仕事なのか、最初はまったく描けていませんでした。
不安になるのは、
覚悟が足りないからではなく、
未来の輪郭がまだ見えていないだけなのです。
②今まで積み上げたものを失う気がするから

転職の不安には、
「ここまでやってきたのに」という感情が深く関わっています。
年数。
役割。
立場。
これまで積み重ねてきた経験や評価。
それらを手放すことを想像すると、
まるで自分の人生の一部を否定するような気持ちになることがあります。
特に、責任ある立場を任されていた人ほど、
「今ここを離れたら、すべてが無駄になるのではないか」
という思いが強くなりがちです。
僕も、主任として異動し、
「まずは結果を出せ」と言われていた時期ほど、
ここで離れることへの怖さが増していきました。
それは欲張りだからでも、執着が強いからでもありません。
自分のこれまでを大切にしてきた証拠です。
不安になるのは、
何もしてこなかったからではなく、
ちゃんと積み上げてきたからこそです。
③自分の市場価値が分からないから

転職を考え始めると、
多くの人が一度は「自分は通用するのだろうか」と考えます。
社内での評価と、
世の中での評価は、必ずしも一致しません。
でも、多くの人は
「社外での自分」を測る物差しを持っていません。
だからこそ、
比較できない不安が膨らんでいきます。
業績が振るわなかった時期が続いたとき、
僕自身も
「自分には能力がないのではないか」
と感じたことがあります。
けれど、この不安は
「能力がない」という証明ではありません。
判断材料が足りない状態で、
結論を出そうとしているだけです。
分からないものを分からないと感じるのは、
ごく自然な反応です。
④行動して傷つくのが怖いから

転職の不安が強い人ほど、
実は「何もしない」ことを選んでいる場合があります。
それは怠けているからでも、
現実逃避しているからでもありません。
応募する。
落ちる。
不採用になる。
その一つ一つが、
「自分そのものを否定された」ように感じられるからです。
僕も、実際に応募してみて、
書類選考で不通過が続いた時期がありました。
そのたびに、次に応募するのが怖くなっていきました。
行動できないのは、
自尊心を守ろうとしている状態でもあります。
だから、動けない自分を責める必要はありません。
それは心が壊れないようにしている反応でもあるのです。
⑤判断を一人で抱え込んでしまうから

転職の悩みは、
とても個人的で、正解が見えにくい問題です。
「辞めるべきか」
「もう少し頑張るべきか」
どちらを選んでも、
後悔しそうな気がしてしまう。
その結果、
誰にも相談できず、
頭の中だけで考え続けてしまいます。
でも、一人で考え続けると、
不安は整理されるどころか、増幅していきます。
僕自身、転職エージェントと話して初めて、
「自分は何が不安だったのか」を言葉にできた感覚がありました。
答えをもらったわけではありません。
ただ、整理できただけです。
それだけで、
不安の重さは少し変わりました。
まとめ
転職の不安は「準備不足」ではなく「自然な反応」
転職が不安になる理由を並べてみると、
そこにあるのは「弱さ」ではなく、
これまでを大切にしてきた気持ちや
慎重に考えようとする姿勢だと分かります。
未来が見えないこと。
積み上げたものを失う怖さ。
自分の価値が分からない感覚。
傷つくのを避けたい気持ち。
一人で判断を抱え込んでしまうこと。
どれも、無理もない反応です。
転職に限らず、人生の選択では誰もが通る道でもあります。
それでも私たちは、
「早く決めなければ」
「動けないのはダメだ」
と、自分を追い込んでしまいがちです。
けれど、不安があるということは、
雑に選ぼうとしていない証拠でもあります。
今はまだ、答えを出さなくていい。
勢いで決断しなくてもいい。
まずは、「自分が何に不安を感じているのか」を
ここまで整理できたこと自体が、一歩目です。
次に進むとしたら、
それは「決断」ではなく、
不安を少しずつ減らす行動で十分です。
たとえば、
誰かに話してみる。
情報を集めてみる。
自分の経験を棚卸ししてみる。
いきなり人生を変える必要はありません。
小さな行動でも、不安の質は変わっていきます。
ここまで読んで、
「不安になる理由は分かったけれど、
じゃあこの先どう考えればいいのか…」
そんな気持ちが残っているかもしれません。
それで大丈夫です。
この記事は、決断を迫るためのものではありません。
不安の正体を言葉にできたら、
次にやるべきことは
「無理に答えを出すこと」ではなく、
不安を増やさない考え方を知ることです。
次の記事では、
転職を迷い続けてしまう人に共通する思考のクセや、
なぜ決断が重く感じてしまうのかを、
もう少し視点を引いて整理します。
▶︎ 転職を迷う人の共通点|決断できないのは性格のせいじゃない
「自分だけがおかしいのかもしれない」
そう感じている人ほど、
きっと安心できる内容です。

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