こんにちわ、こっぺです。
合格者の再現答案ではありませんのでご注意ください!
記事の最後に同士(診断士受験生)の方にお願いがありますので、よろしかったらご協力お願いいたします。
令和2年度 二次試験「事例Ⅰ」解答
第1問
以下は、老舗蔵元 A 社を買収する段階で、企業グループを経営する地元の有力実業家である A 社長の祖父に関する設問である。各設問に答えよ。
(設問 1 )
A 社の経営権を獲得する際に、A 社長の祖父は、どのような経営ビジョンを描いていたと考えられるか。100 字以内で答えよ。
【答】
A社が持つ老舗ブランドと事業を受け継いで廃業を防ぎ、インバウンドブームで自身が持つ事業と相乗効果を発揮させて売上を増大させ、地元住民の雇用を確保し、地域経済の活性化と同時に社長の承継を考えていた
設問1コメント
A社長の祖父は地域経済を活性化したい・A社長に事業を承継させたい、という思いがありそれが経営ビジョンに繋げようとしていたことが分かります
地域経済の活性化を、僕は「酒蔵廃業の回避」「インバウンド需要へのビジネスと自身が経営する事業の相乗効果による売上伸長」「雇用」という切り口で捉えました。
(設問 2 )
A 社長の祖父が A 社の買収に当たって、前の経営者と経営顧問契約を結んだり、ベテラン従業員を引き受けたりした理由は何か。100 字以内で答えよ。
【答】
理由は、①酒造りのノウハウ、ベテラン事務員の商売ノウハウ、営業担当の販売・コミュニケーションスキルを自社に承継させ、新事業展開に活かすため②地域活性化を狙う祖父の思いから酒蔵を存続させるため、である
設問2コメント
祖父がA社の経営者・従業員を引き受ける理由は、A社の経営資源を吸収する目的だと捉えました。
正直なところ、この記事を書きながら気づいたのですが、営業担当は「若き」と書かれていることから古参では無いことがわかるので、この時のA社の社員では無いことが分かりますので、営業担当をこの答えに含めるのは間違いだと思いました(笑)
第2問
A 社では、情報システム化を進めた若い女性社員を評価し責任者とした。ベテラン事務員の仕事を引き継いだ女性社員は、どのような手順を踏んで情報システム化を進めたと考えられるか。100 字以内で答えよ。
【答】
手順は①共に働いた2年間でベテラン女性事務員が把握していた複雑な事務作業、取引先との商売、経験、知識を承継し②承継したノウハウをマニュアル化、経験・知識をデータベース化して従業員と共有した
第2問コメント
これは「SEC Iモデル」の順番で記述すべきかなと捉え、その順番通りに書きました。
因みに、「SEC Iモデル」とはこういうこと。
この問題では「情報システム化を進めたか」ということを問われています。
情報システム化を行うには、暗黙知を形式知に変えるところまで書けばいいと捉えて、「表出化」のところまでを書きました。
与件文の第8段落にある「複雑な事務手続きや取引先との商売」が暗黙知の一部、第11段落に「前任のベテラン女性事務員と 2年ほど共に働いて知識や経験を受け継いだ」が暗黙知の一部と共同化の部分になります。
複雑な事務手続きとか取引先との商売ノウハウはマニュアル化した方が良いよな。。。
受け継いだ知識や経験はデータベース化した方が良いよな。。。
と思い、解答のように記述しました。
ココスタでの指摘・気付き
ココスタ勉強会ではこの第2問を班の皆で指摘しあいました。
班の方に
「情報システム化を進めたか?」と設問で問われているので、「情報システム化を進めた」と解答を締めた方が良いと思いますよ。
と、指摘をいただきました。
確かに、そう書いた方がきちんと受け答えしている文になると思いました。
ご指摘、ありがとうございます!
指摘を受けて改善した解答
手順は①共に働いた2年間でベテラン女性事務員が把握していた複雑な事務作業、取引先との商売、経験、知識を承継し②承継したノウハウをマニュアル化、経験・知識をDB化、共有し、情報システム化を進めた(96文字)
第3問
現在、A 社長の右腕である執行役員は、従来のルートセールスに加えて直販方式を取り入れ売上伸長に貢献してきた。その時、部下の営業担当者に対して、どのような能力を伸ばすことを求めたか。100 字以内で答えよ
【答】
伸ばすことを求めた能力は、①直販方式の売上を伸ばすための顧客のニーズ収集能力と販売力、②蔵人さんや杜氏さんに、顧客のニーズや新規事業の内容を橋渡しして伝えられるようなコミュニケーション能力、である
第3問コメント
与件文の第11段落で、執行役員が企業内で行なっている「杜氏や蔵人と新規事業との橋渡し役としての役割」が書かれています。
執行役員は、コミュニケーション能力があり、それを営業担当者にも求めることが予想されます。
加えて、与件文のどこにも書かれていないのですが、直販というと、顧客と対面で販売することがイメージされるので、そこでのニーズ収集能力と販売力が求められるのかなと思い、書きました。
第4問
将来、祖父の立ち上げた企業グループの総帥となる A 社長が、グループ全体の人事制度を確立していくためには、どのような点に留意すべきか。中小企業診断士として 100 字以内で助言せよ。
【答】
留意する点は前近代的な人事管理と年功序列型賃金制度を改革することで生じる古参社員の士気低下である。対応策は①十分な説明で理解を促し、②新給与体系に過去の実績を加えて評価し、賃金を維持することである。
第4問コメント
第4問のコメントを書く前に、以前僕が挙げたツイートを紹介します。
はい、そうです。
この問題でやらかしました。
どこをやらかしたかと言うと、、、
設問解釈を間違えたんです。。。
設問に「留意すべきか」と書かれていますが、この留意を「注意」の意味で捉えてしまったんです。
「注意すべきか」と捉えたので、注意すべき点を探してしまったんです。
与件文の第12段落、「伝統的な家族主義的経営や祖父の経験や勘をベースとした前近代的なもの」「年功序列賃金が基本である」と言う記述から
あー、この古い制度を変えて行くわけだから、この制度に慣れている古参社員から反発が挙がるよな。。。
古参社員から反発が起きると言うことは、モチベーションの低下に繋がるよな。。。
と、考えてしまった訳ですね。
だから、留意点を古参社員のモチベーション低下に絞ってしまった訳ですね。。。
と言うことは、設問の中の「グループ全体の人事制度」まで触れられていないんですよね。。。
しかも、結論の部分で根拠となるキーワードを挙げているから、対応策にそのキーワードに対する対応方法を書いてしまっている。。。
この解答を書き終わって、ココスタのスプレッドシートに書き込もうとした時、皆んなの答えを見て
( ゚ ρ ゚ )ボー
としてしまいましたよね、自分の答えが見事にずれてるw
しかも、気になってAASさんの要旨を見てみたら「助言する」と書いてあるので「注意するべきところを挙げる」僕の解釈は間違っていることになります。
と言うことで、勉強会で自分の番が回ってきて、解答の根拠を説明する際に、設問解釈を間違えてこう言う答えになりました、と正直に言ってしまいましたよねw
設問解釈を間違えるとこう言う答えになってしまうので、皆さん、気をつけましょうw
ココスタでの気付き
僕の解答がそもそも外れだったので、他の方の解答と解答プロセスを勉強させていただいたのですが、僕なりに完璧だなと思った答えがコレです。????
①企業グループ内での適材適所の人材配置、②非正規社員の正規社員への登用、③成果主義評価と公平公正な評価制度の導入、④長期的な人材育成により士気向上と組織交流を活性化し、前近代的な人事制度から脱却する。
正直、設問に「留意すべき」と書いてあった点で解釈が足りず、このような問題をどうやって解けば良いのか分からなかったのですが、この方のおかげで、解法が分かりました!
ありがとうございます!
まとめ&お願い
まだ1度も2次試験を受けたことがない私、こっぺが1次試験と並行しながら2次試験対策をするために、ココスタ勉強会へ参加するにあたって、令和3年の事例Ⅲを解きながら、解答プロセスも一緒に書いてみました。
ここで同士の方にお願いがあります。
中小企業診断士試験受験生の方で、解答プロセス、解答に指摘事項がありましたら、コメント欄に書いていただくとありがたいです。
2次試験は答えのない試験なので、他にも解答プロセスを導く視点があると思いますし、お互いに勉強になると思いますので、よろしくお願いいたします。