【第38回】販売士1級過去問 ストアオペレーション(平成23年2月16日)

過去問
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この記事で分かること

第1問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、売場の生産性について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記の語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

 売場の生産性(販売効率)の高さは、商品カテゴリーごとの〔ア〕の大きさと、〔ア〕当たりの商品特性や、〔イ〕の強さなどの要因で規定される。〔ア〕単位での商品の再分配を考える際には、商品カテゴリーごとに役割と〔ウ〕を分析する必要がある。つまり、〔ウ〕を構成するさまざまな要素を相互に〔エ〕することによって、当該商品カテゴリーに関する〔オ〕が明らかになり、売場への商品の再分配を適正化することができる。

【語群】
1.分散化
2.変動費
3.問題点
4.勤務体制
5.販売促進力
6.ROI
7.販売管理費
8.スペース(売場面積)
9.固定費
10.比較・検討

ア:8 イ:5 ウ:6 エ:10 オ:3

第2問 (正誤問題)

次のア~オは、インストアプロモーションの手法などについて述べている。最も関係の深いものを、語群から選んで、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア サプライヤーの担当者が、商品管理、売場演出、情報提供など、店頭における対象商品の活性化を目的とした部隊を編成し、効果的に店頭を支援する。

イ あるテーマに関連した商品を集めて1か所にまとめて陳列することにより、購買促進機能を高め、客単価を上昇させる。

ウ メーカーやチェーンストアの本部が専門のスタッフを店舗に派遣し、当該売場で顧客に試供品を配布する。

エ たとえば、外部の専門企業のスタッフなどが実際に店舗の顧客を装って買物をして、販売員の接客対応力やサービスの質などに関する実態調査を行う。

オ 栄養士やカウンセラーなどの専門スタッフが店舗内で実演を行うなどによって、推奨販売を行う。

【語群】
1.ノベルティ
2.ミステリー・ショッパー調査
3.商品購入モニター
4.メーカークーポン
5.フィールドフォロー
6.デモンストレーション販売
7.店頭販売
8.クロスマーチャンダイジング

ア:5 イ:8 ウ:7 エ:2 オ:6

第3問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、チェーンストアにおける店舗の労働生産性について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記の語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

 小売店における従業員の労働の成果は、従業員の協働の結果として稼ぎ出した付加価値とされ、通常、〔ア〕を基準とした人時生産性で表す。その計算式は、「人時生産性=〔ア〕÷〔イ〕」であり、〔ウ〕を用いて求める。売上に変化がなく、〔エ〕も増加しない状態で〔イ〕を減らせば、必然的に人時生産性は高まる。
一方、チェーンストアの店長が労働生産性を念頭において店舗運営に臨むねらいは、レイバースケジューリングの枠組みの中で〔オ〕を適正化することにある。

【語群】
1.キャッシュフロー
2.総労働時間
3.サービス
4.人事配置
5.顧客満足度
6.商品ロス
7.粗利益
8.客単価
9.平均月間数値
10.発注数量

ア:7 イ:2 ウ:9 エ:6 オ:4

第4問 (正誤問題)

次のア~オは、LSP(レイバースケジューリングプログラム)と人時管理について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア LSPを導入する主な目的は、顧客満足度を高め、欠品率を高めることである。

イ 店舗従業員がそれぞれの作業を行うために必要な人時(人件費)を算出する際、実際の必要人時の計算には、固定作業と変動作業のほかに研修や勉強会などの随時作業も加算する。

ウ 過不足なく従業員を業務に割り当てるステップは、「①月次勤務スケジュールの策定→②日割り予算に合わせた日割り人時枠の設定→③正確な日割り予算の組立て」となる。

エ 人時生産性を向上させるには、業務プロセスを変革して総人時を増加させる。

オ 人時管理の目的は、時間帯別に異なる作業量と従業員を合致させ、計画的、かつ、効果的なオペレーションシステムを構築することである。

ア:2 イ:1 ウ:2 エ:2 オ:1
【解説】
ア:LSPは「人件費を増大させないで顧客満足度を高める」ことを目的としている。欠品率を高めることは目的ではないので誤り
ウ:過不足なく従業員を業務に割り当てるステップは①正確な日割り予算の組み立て、②日割り予算に合わせた日割り人時枠の設定、③月次勤務スケジュールの策定、である。問題文では順序が逆になっているので誤り
エ:人時生産性を向上させるには業務プロセスを変革して総人時を減少させることが必要。増加させることではないので誤り

第5問 (正誤問題)

次のア~オは、従業員の人材育成について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア OJTとOFF-JT、さらに自己啓発の3つが相互に補完し合うことで、より効果の高い人材育成を行うことができる。

イ OFF-JTのメリットには、仕事を離れて学習に集中できることや日常業務を通じて密度の濃い教育を実施することなどがある。

ウ OJTでは、実務上の知識、方法や技術を教えるばかりではなく、上司の考え方についても指導することが重要である。

エ OJTの効果的な指導方法のステップは、一般的に、「①教える準備をする→②実際にやらせてみる→③実際にやってみせる→④教えた後でチェックする」となる。

オ 一般に、部下が自ら学ぼうとする意欲が強く、管理者が部下を育成しようとする意識が弱い場合には、管理者が部下に対して不満を持つ状態となる。

ア:1 イ:2 ウ:1 エ:2 オ:2
【解説】
イ:OFF-JTのメリットは「日常業務では中々習得し得ない密度の濃い教育を実施すること」にある。日常業務とは通じない場合が多いので、誤り
エ:OJTの効果的な指導方法のステップは①教える準備をする、②実際にやってみせる、③実際にやらせてみる、④教えた後でチェックする、である。問題文では②と③が逆なので誤り
オ:一般に、部下の意欲が高く、管理者の意欲が高い場合、部下が管理者に対しての不満を持つ状態になる。問題文はそれが逆なので誤り

第6問 (記述)

小売店を運営していくにあたって必要な人時は、一般に「固定人時+変動人時」と考えることができる。これに関し、次の問いに答えなさい。(25点)

(1)固定人時、変動人時とは何か、それぞれの用語の意味を、答案用紙に簡潔に文章で記入しなさい。

(2)必要人時の計算手順を示した下図のア~ウの空欄部分に最も適Âする事項を答案用紙に簡潔に文章で記入しなさい。

手順1売場面積1坪当たりを維持するのに必要な基準人時を設定する
手順2
手順3
手順4
手順5固定人時と変動人時を比較して、大きいほうを必要人時とする

⑴固定人時とは売上に関係なく、売場維持に必要な一定の人時のこと。変動人時とはある売上の分岐点を超え、売上の増加に伴い増える人時のこと。

ア:坪あたり基準人時に売場面積を掛け、維持に必要な最低必要人時を計算する(固定人時)
イ:1人時あたりの売上基準を設定する(1人時売上基準)
ウ:年間売上高を1人時売上基準で割って、変動人時を計算する(変動人時)

第7問 (記述)

チェーンストアの管理者や店長は、OJTの実施にあたり、効果的な数え方を理解しておくことが必要である。効果的な指導方法のステップのひとつに、「教える準備をする」ことがあるが、その一般的な手順項目を5段階で示すとともに、それぞれの段階における指導方法のポイントを1つあげて、答案用紙に簡潔に記入しなさい。(25点)

①従業員をリラックスさせる、親しみをこめて話すこと。
②何の仕事をしてもらうか話す、教えようとする仕事の名前などを具体的に話す
③その仕事の認識度を高める、具体的にだんだん細かく質問を重ねていく
④仕事を覚えたいという気持ちにさせる、不必要に好奇心や競争心を煽らない
⑤正しい位置につかせる、身体位置・手先の場所を考える

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