【第43回】販売士1級 過去問 小売業の類型(平成28年2月17日)

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第1問 (正誤問題)

次のア~オは、フランチャイズ組織の運営原理について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア フランチャイズ組織の運営原理には、統一性の原則、機能分担の原則、独立経営の原則、真実性の原則、明瞭性の原則がある。
イ 独立経営の原則とは、フランチャイザーがフランチャイジーの独自の行動を規制し、統率することである。
ウ 機能分担の原則とは、フランチャイザーが戦略立案機能を担当し、フランチャイジーは実施機能を担当することである。
エ 真実性の原則とは、フランチャイザーとフランチャイジーが、良きパートナーとして「統一性と独立性の同時達成」、「両者の適度な緊張の中での協調」を有効に活かしていくことである。
オ 統一性の原則とは、フランチャイザーとフランチャイジーが、第一の運営目標を「顧客満足」に置き、良きパートナーとして協調し、成長することである。

ア:2 イ:2 ウ:1 エ:2 オ:2
【解説】
ア:「真実性の原則」「明瞭性の原則」はなく、「相互発展の原則」が正解
イ:問題文は「統一性の原則」に関して述べられているので誤り
エ:問題文は「独立経営の原則」に関して述べられているので誤り
オ:問題文は「相互発展の原則」に関して述べられているので誤り

第2問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、総合品ぞろえスーパー(スーパーストア)経営に求められるリスクマーチャンダイジングについて述べている。文中の〔 〕の部分に、下記に示すア~オのそれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(15点)

これからのスーパーストア経営に必要な要素のひとつとして、〔ア〕をしない取引、いわゆるリスクマーチャンダイジングの実践がある。
一般に、〔イ〕を原則とするリスクマーチャンダイジングを実践すると、販売に伴う〔ウ〕は向上する可能性は高いが、一方で〔エ〕に関するリスクは大きい。
したがって、リスクマーチャンダイジングを実践し、〔ウ〕を向上させるためには、商品を〔オ〕仕組みをもたなければならない。

【語群】
ア 1.買掛け 2.双務契約 3.売掛け 4.返品
イ 1.委託仕入 2.買取仕入 3.消化仕入 4.売上仕入
ウ 1.粗利益 2.売上 3.経常利益 4.生産効率
エ 1.リベート負担 2.チャンスロス 3.在庫負担 4.コンプライアンス
オ 1.検品する 2.棚卸しする 3.売り切る 4.検収する

ア:4  イ:2 ウ:1 エ:3 オ:3

第3問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、コンビニエンスストアの店舗への多頻度少量配送システムを実現するために、製配販三層が取り組んだことについて述べている。文中の〔 〕の部分に、下記に示すア~オのそれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(15点)

コンビニエンスストアでは、多頻度少量配送によって〔ア〕を圧縮できるほか、少頻度の配送よりも顧客に〔イ〕の高い商品を提供できるといった効用がある。一方、多頻度少量配送は、サプライヤーの〔ウ〕を増加させる要因にもなった。そこで、〔ウ〕の増加という課題解決のために、製配販三層のいずれの段階においても革新が求められた。
たとえば、メーカーは〔エ〕の小口化をはかり、卸売業は〔オ〕によって異なる商品カテゴリーの一括納品を推進し、コンビニエンスストアはエリアドミナントの出店戦略をより一層強化するなどして、配送効率を高める改革をしてきたのである。

【語群】
ア 1.人件費 2.店頭在庫 3.配送コスト 4.販売管理費
イ 1.ブランドロイヤルティ 2.価格帯 3.鮮度 4.粗利益率
ウ 1.物流コスト 2.ディストリビューションセンター 3.トランスファーセンター 4.マージン
エ 1.生産ロット 2.原材料仕入先 3.販売先 4.ベンダーアロケーション
オ 1.VMD 2.共同配送 3.CRM 4.SPC

ア:2 イ:3 ウ:1 エ:1 オ:2 

第4問 (正誤問題)

次のア~オは、ドラッグストア(DgS)の類型と、類型別にみたアソートメント特性について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 一般に、近隣型市場では小規模な専門志向型DgSと便利志向型DgSの存在確率が高く、郊外型市場では中規模なバラエティ志向型DgSと大型のディスカウント志向型DgSの存在確率が高い。

イ 専門志向型DgSのアソートメント特性は、主力商品の調剤または自店の得意分野の医薬品や化粧品といった専門性の高い商品を、多品種多品目で構成することである。

ウ 便利志向型DgSのアソートメント特性は、一般用医薬品の扱いウエイトを減らし、他のカテゴリーの品種を平均的に拡大する一方、品目は絞り込んでバラエティ性を実現することである。

エ バラエティ志向型DgSのアソートメント特性は、品種と品目の双方を拡大し、フルラインの品ぞろえを強調することである。

オ ディスカウント志向型DgSのアソートメント特性は、H&BCカテゴリよりも加工食品や一般雑貨を中心として多品種多品目で構成して、バラエティ豊富な品ぞろえを強調する一方、単品は売れ筋商品に絞り込むことである。

ア:1 イ:2 ウ:1 エ:1 オ:2
【解説】
イ:「多品種多品目」ではなく「少品種少品目」が正解
オ:「少品種多量販売」が基本になるので「多品種多品目で構成してバラエティ豊富な品揃えを強調する」部分が誤り

第5問 (記述)

チェーンストア理論にもとづく3つの標準化のうち、①オペレーションの標準化、②店舗の標準化について、(ア)その目的と(イ)具体的に何を標準化するのか、所定の解答欄にそれぞれ記述しなさい。(25点)

①オペレーションの標準化
(ア)人件費コスト削減のため
(イ)店舗の運営システム、従業員の役割、具体的作業など
②店舗の標準化
(ア)店舗開発コストの削減のため
(イ)店舗の立地、商圏、規模、内外装と仕様、客動線、フロアゾーニング、フロアレイアウト

第6問 (記述)

P.F.ドラッカーは、賃金を支給される職務における責任と義務について、「コミットメント」、「レスポンシビリティ」、「アカウンタビリティ」の3要素をプロセスとして捉えることを提唱したが、これはチェーンストアなどの小売企業のマネジメントにおいても重要な要素である。3要素の意味をプロセスと関連づけて、それぞれを所定の解答欄に記述しなさい。(25点)

コミットメント:チェーンストア全体、専門部署、個人の成果目標とそれを達成するための計画を作成し、それに基づく作業の実行と成果の達成を契約すること。管理者は経営トップとコミットメントし、従業員は管理者に対してコミットメントする。
レスポンシビリティ:コミットメントの結果、作業の実行と成果の達成という責任のこと。プロセスとしては、中間で途中成果を報告し、管理者はそれを分析してコーチングを行う
アカウンタビリティ:作業方法上の問題や成果達成の障害から生じる原因を習慣・作業・制度の面から分析し、作業方法の改善と制度の改革の提案を含む

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