【第40回】販売士1級 過去問 マーケティング(平成25年2月20日)

過去問
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この記事で分かること

第1問 (正誤問題)

次のア~オは小売業のマーケティング・リサーチについて述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア マーケティング・リサーチで収集されるデータは、1次データと2次データに分類され、1次データとは、特定の目的を達成するために独自に実施した調査にもとづいて収集されたデータのことである。

イ A市の商業人口は、A市が所在する都道府県平均の人口1人当たり小売業販売額をA市の小売業販売額で割って求める。

ウ 小売業が行う商圏画定手法には、店舗地点での調査などがあり、商圏内購買力推定手法では、人口・世帯数・所得・消費支出などのデータが活用される。

エ ポジショニング分析は、自店と競合店の違いを明確にし、差別的優位性のある位置づけを見つけ出すことなどに用いられる。

オ ストアコンパリゾンで活用されるPFグラフは、ある商品カテゴリーに含まれる品目ごとの販売価格と販売数量を組み合わせてチャート化し、分析することに用いられる。

ア:1 イ:2 ウ:1 エ:1 オ:2
【解説】
イ:市区町村単位の商業人口の計算式は
市区町村内年間小売販売額÷その市区町村が属する県の一人当たりの年間小売販売額
となっているので、割る順番が逆になっている。
オ:「販売数量」ではなく「フェイス数」の間違い

第2問 (組み合わせ問題)

次のア~オは、小売業の立地や業態に関する理論について述べている。最も関係の深い用語を、右側の語群から選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

ア サービスを含む財について、多く生産・供給する機能は少数の地点に集中し、その財は多数の消費者に到達する。その到達範囲の大きいものを高次の財、小さいものを提示の財と呼ぶ。

イ 2都市は、それらの中間にある小都市、町から、人口の持っているある力に正比例し、中間都市から、これらの2都市までの距離の持っているある力に反比例して、小売取引を吸引する。

ウ 商業を発展させた多くの革新者は、最初は地代の安価な場所に粗末な店舗で出店し、低価格販売を武器にスタートするが、成長すると好立地への移転や高価格販売などを行い格上げしていく。

エ 商業中心地である都市と、その商圏内または商圏の近くにある消費者の居住する都市は、ほぼ両者の人口に正比例し、慣性因子の2乗に反比例して消費者の居住する都市の小売販売額を分け合う。

オ 多くの利用可能な商業集積がある場合に、どの商業集積を利用するかは、その商業集積が、ある地区の住民に対して与える効用に比例する。

【語群】
1.ニールセンの真空地帯論
2.コンヴァースの小売吸引の法則
3.ハフの確率モデル
4.マクネアの小売りの輪の理論
5.コーリーのダグマー理論
6.クリスタラーの中心地理論
7.リーガンの小売発展段階説
8.ライリーの小売吸引の法則

ア:6 イ:8 ウ:4 エ:2 オ:3

第3問 (分章穴埋め問題)

次の文章は、消費者行動の分析について述べている。文中の〔 〕の部分に、語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

消費者行動全般にもたらす影響は、年齢、所得、家族構成などの〔ア〕と日常生活の活動や関心、価値観などの〔イ〕に分けることができる。
イのような消費者の価値観や〔ウ〕を分析する手法の1つにAIO分析がある。
これは、消費者の仕事・趣味・買物などの活動、家族・食事・ファッションなどへの〔エ〕、そして、人生・政治・文化などに対する〔オ〕といった3つの側面にアを加えて分析するものである。

【語群】
1.興味
2.経済的要因
3.サイコグラフィック要因
4.経営理念
5.ライフスタイル
6.デモグラフィック要因
7.注目
8.記憶
9.意見
10.社会的要因

ア:6 イ:3 ウ:5 エ:1 オ:9

第4問 (正誤問題)

次のア~オは、消費財メーカーのマーケティング戦略における標的市場の設定について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 標的市場選択の1つのパターンである「専門的選択化」とは、セグメント間のシナジーが存在しなくてもそれぞれに高い収益性が期待できる複数のセグメントを対象として選択することを意味する。

イ 標的市場の設定にあたっては、まず、効果的なマーケティング・ミックスを構築してから、ねらうべき標的を明らかにしてアプローチすることが重要である。

ウ コトラーは、標的市場の性格として、測定可能性、接近可能性、実質性などを備えていることが望ましいと主張している。

エ 効果的な市場細分化基準の1つである「差別化可能性」とは、セグメントが概念的に区別でき、マーケティング・ミックス要素が異なれば、各セグメントに対する反応も異なるということを意味する。

オ 市場細分化において、異なるセグメントをクロスさせて標的市場を設定すると、その正確度は高まるが、セグメントの数と各セグメントの人数はともに減少する。

ア:1 イ:2 ウ:1 エ:1 オ:2
【解説】
イ:標的市場の選択→マーケティングミックスの構築が正しい順番なので、設問文は逆
オ:? 

第5問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、ライフスタイルセグメンテーションの技法のひとつであるクラスター分析について述べている。文中の〔 〕の部分に、語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

クラスター分析とは、ある集団を何らかの基準でいくつかに分割し、〔ア〕の高いもの同士に〔イ〕する統計手法のことである。
クラスター分析の手法を大別すると、o分析とv分析の2種類があり、ライフスタイルセグメンテーションとの関連で用いられるo分析によってクラスター化されるものは、〔ウ〕または個体である。
また、クラスター分析の算法をコーマックの分類枠組みにもとづき大別すると、階層的分類法、〔エ〕、作塊法に分類され、さらに階層的分類法は、凝集法と〔オ〕に分類される。

【語群】
1.類似度
2.分割法
3.変数
4.分散
5.異質度
6.対象
7.グルーピング
8.分類法
9.分離法
10.集合法

ア:1 イ:7 ウ:6 エ:2 オ:9 

第6問 (記述)

グループインタビューで利用される質的調査のうち、D.N.ベレンガーが指摘した技法を3つ挙げてその内容を簡潔に記述しなさい。(25点)

○デプスインタビュー(深層面接法)
・臨床心理学の手法。動機調査(モチベーションリサーチ)の中心となるもの。一対一の個人面接の形をとり、表面に現れない消費者の深層心理を探り出す。
○グループインタビュー(集団面接法)
・専用ルームに5~10人ほどの対象者を集め、相互の発言に相互が刺激され合って議論を進める中から、定性情報を収集する。
○オープンエンド質問
・標準的な質問群を用意して、手紙や電話などで調査する。消費者が自由に自分の言葉で意見が言えるように工夫する。クローズドな質問の回答の解釈ができる。
○TAT(主題統覚テスト)
・人間の営みや体験を表す絵を提示し、物語をつくらせ、その内容から被験者の欲求体系を明らかにする。
○ロールプレイング
・役割演技法と呼ばれる教育訓練技法の1つ。実際に自分自身で所定の役割を演じることにより、納得の度合いも高くなり、対象者の態度変容に大きな効果が期待できる。
○言語連想法
・文字や単語を1つずつ、一定の間隔で対象者に示し、制限時間内で連想した単語を反射的に回答してもらい、それを分析し、その結果に至る同期を解明する方法。

第7問 (記述)

カスタマーリレーションシップ・マネジメント(CRM)は、既存顧客の維持に重点を置いている。その理由を、コスト面から3項目挙げて答案用紙に記述しなさい。(25点)

1:新規顧客の獲得は、既存顧客の維持に比べてはるかに高コストであるから
2:一度離れた顧客を引き戻すには、離れないように顧客を満足させることよりもはるかに高コストだから
3:新商品は新規顧客に販売するよりも、既存顧客に販売する方が楽だから(販促コストがかからないから)
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