【第39回】販売士1級過去問 マーチャンダイジング(平成24年2月15日)

過去問
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第1問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、商品の仕入時期と商品上の留意点について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記の語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

チェーンストアにとって商品の仕入時期を決定することは、極めて重要である。商品本部では、〔ア〕の実際の仕入にあたっては、各店舗での販売に合わせて計画的、かつ、定期的に仕入れるように仕入時期を設定し、〔イ〕を節減しながら欠品や売れ残りを生じさせないような〔ウ〕の割出しを行い、在庫コストの引き下げに努める。
一方、流行商品の仕入計画を策定するときは、供給サイドで商品が〔エ〕となる前に必要量を確保することが競争戦略上において重要となる。とりわけ、高級な衣料品などの仕入にあたっては、仕入時期を誤ったり、見本による〔オ〕を避けたりすると、販売面で有力な商品が入手できなくなることがある。

【語群】
1.モデルストックプラン
2.単品バラ発注
3.仕入数量
4.平均購買単価
5.品薄
6.損益分岐点
7.定番商品
8.季節商品
9.早期発注
10.発注コスト

ア:7 イ:10 ウ:3 エ:5 オ:9 

第2問 (正誤問題)

次のア~オは仕入予算について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 金額的な仕入高予算は、期待する売上高予算、予想される減価予算、そして期末在庫予算を考慮に入れて加算し、その合計金額から期首在庫高予算を引いて求める。

イ 年間仕入高予算の月別配分にあたっては、月別売上高予算と月別在庫高予算との適正な関連性が維持できるように計画する。

ウ 総仕入高予算を算出する際に必要とされる売上戻りとは、小売業が当該商品を計画どおりに売り上げて、計画を達成したときにメーカーから支払われる割戻金のことである。

エ 商品別の販売効率や在庫管理状況を把握するための基本的なデータには、商品売上高実績値、商品平均原価率、そして商品帳簿棚卸残高などがある。

オ 限界利益率を向上させるために必要とされる粗利益貢献度とは、商品別に求めた粗利益率に、全体の商品の純仕入高予算に占めるその商品の構成比を掛けて求める。

ア:1 イ:1 ウ:2 エ:1 オ:2
【解説】
ウ:売上戻りは購買後の顧客による返品(による返金)がそれにあたるので、問題文は誤り
オ:純仕入高予算ではなく売上高なので誤り

第3問 (組み合わせ問題)

次のア~オは、小売業が仕入先から商品の仕入価格を割引いてもらうときの用語である。最も関係の深い文章を、右側から選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

ア 数量割引
イ 特定顧客割引
ウ 業種割引
エ 現金割引
オ 現金販売促進

1.メーカーからみて、自社商品を仕入れる小売業が果たしている流通機能の質や値引の度合いによって仕入価格を割引く。

2.季節性や流行性の高い商品について、通常の仕入時期以前に仕入契約を交わした場合、早めに仕入契約を締結した分に応じて仕入価格を割引く。

3.一定期間の取引高を基準として、メーカーと年間契約を交わした小売業がその販売ノルマを達成したときに営業利益の一部として割戻す。

4.手形や掛売りなどの信用販売が広く行われている業界の売買において、メーカーが代金回収の手間とリスクを解消できる取引をする小売業に対して仕入価格を割引く。

5.チェーンストア本部一括仕入や特定の小売業による直接仕入などにおいて活用されており、通常の仕入よりも大量に仕入れる場合に適用される。

6.一部のメーカーとの取組み関係を維持・強化している小売業や大口取引関係にある小売業などに適用される。

7.メーカーの主催する特定のイベントやキャンペーン活動に小売業が参加することを条件に、メーカーが小売業の仕入価格を割引く。

8.メーカーが新商品を発売し、それを小売業の定番ゴンドラに導入してもらうときに支払う。

ア:5 イ:6 ウ:1 エ:4 オ:7

第4問 (文章穴埋め問題)

次の文章は、利益計画の策定手順について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記の語群のうち最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(10点)

利益計画の策定にあたっては、その基礎となる〔ア〕の精度が重要とされる。アの方法には、管理者などの判断による方法、消費者調査による方法、〔イ〕といった統計的方法などがある。
これらを活用して策定する利益計画には、〔ア〕にもとづく〔ウ〕の設定とともに、〔エ〕の算定が含まれる。〔エ〕が目標利益を上回る場合には、〔オ〕の編成が可能となる。逆に、〔エ〕が目標利益を下回る場合には、利益改善策を講じる必要がある。

【語群】
1.市場細分化
2.部門予算
3.目標売上高
4.商圏
5.販売予測
6.期待利益
7.マークアップ
8.時系列分析
9.販売組織
10.ヒアリング調査

ア:5 イ:8 ウ:3 エ:6 オ:2

第5問 (正誤問題)

次のア~オは、商品管理の実務について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)

ア 単品管理のメリットには、売れ残りや値引などによるロスを削減できること、死に筋商品の排除が容易になること、売れ筋商品の仕入を強化できること、そして発注精度が高まることなどがある。

イ 販売機会ロスの要因には、売れ筋商品の欠品、他店で売れている商品の自店における未入手、顧客の購買行動と売り方とのミスマッチ、そして店頭在庫の過少などがある。

ウ 在庫管理における単品管理の実施にあたっては、一般的には商品コードなどの商品属性の登録→定期的な実地棚卸→正確な実在庫の把握→日々の商品の入出庫情報の入力という手順で進める。

エ バックヤードの在庫が増加する要因には、店舗での発注担当者の発注ミス、チラシ広告対応商品の売れ残り、取扱商品の絞り込み、そしてチェーンストア本部からの季節商品の送り込みによる割当ミスなどがある。

オ 過剰在庫が小売業に悪影響を与える要因には、資金繰りの悪化、在庫金利の発生、在庫保険料の増加、人時生産性の低下、そして作業コストの低下などがある。

ア:1 イ:1 ウ:2 エ:2 オ:2
【解説】
ウ:「日々の入出庫情報の入力」→「正確な実在庫の把握」→「定期的な実施棚卸」の手順で進めるのが正解
エ:「取扱商品の絞り込み」はバックヤードの在庫を増加させる要因にならない
オ:過剰在庫時は作業コストが増える

第6問 (記述)

季節指数を求める方法の1つである「月別平均法」に関する2つの問いについて、答案用紙にそれぞれ2行程度の文章で説明しなさい。(25点)

(1) 月別平均法とは何かを説明しなさい。

(2) 月別平均法はどのような時に使うのが適切かを説明しなさい。

①過去数年間の月別売上高を月毎に集計して平均を出し、その平均を12ヶ月合計して、それを平均したものを100として各月の指数を算出する方法。
②年々の季節変動パターンが概ね似ていて、しかも一時的変動などの不規則変動が少ない時に使うのが適切。

第7問 (記述)

次の専門店Aの当月資料にもとづき、2つの問いについて、答案用紙に記入しなさい。(25点)

A店資料

売上高3,000,000円
粗利益率24%
売価値入率40%
GMROI(商品投下資本粗利益率)400%

(1) 売上総利益を計算し、計算式と答えを記入しなさい。

(2) 平均在庫高(売価ベース)と計算し、計算式と答えを記入しなさい。

⑴売上総利益=3,000,000円×0.24(粗利益率)=720,000円
⑵GMROI=粗利益率×商品回転率=400%
=24%×(売上高÷平均在庫高(原価))=400%
=24%×(3,000千円÷平均在庫高(原価))=400%
平均在庫高(原価)=180千円
平均在庫高(売価)=180千円÷(1−40%)=300千円
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