第1問 (正誤問題)
次のア~オは、小売業のカテゴリーマネジメントについて述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(15点)
ア カテゴリーマネジメントとは、顧客ニーズに合わせて設定した小売業固有のカテゴリーを戦略的にビジネスユニットとして、利益管理、プロモーション、ロジスティクスなどを、そのカテゴリー単位で統合化するビジネスプロセスである。
イ カテゴリーマネジメントのねらいは、マーチャンダイジングを展開するうえで、カテゴリー単位の売上向上と利益向上の両目標を追求することにある。
ウ カテゴリーマネジメントにおける、デスティネーションカテゴリーとは、新入学時に必要なステーショナリー(文具類)のような時期的購買商品群を指し、シーゾナルカテゴリーと呼ぶ場合もある。
エ 商品分類から構成するカテゴリーは、品目(カテゴリー)レベルに近い分類基準である。
オ カテゴリースコアカードは、単品別の売上高・営業利益・営業費・人件費などの各指標を管理するために活用される。
【解説】
ウ:デスティネーションカテゴリーは「計画的購買商品群」のこと。説明が誤り
エ:品目ではなく「品種」の誤り
オ:単品別ではなく「カテゴリー別」なので誤り
第2問 (文章穴埋め問題)
次の文章は、棚卸商品の単位価格を算出する評価法について述べている。文中の〔 〕の部分に、下記に示すア~オのそれぞれの語群から最も適当なものを選んで、答案用紙の所定欄にその番号をマークしなさい。(15点)
棚卸商品の期末評価を行う方法に、〔ア〕と原価法がある。このうち原価法の代表的な評価方法に下記のものがある。
〔イ〕:期首繰越も含めた取得原価合計額を仕入総数量で割った額を、単位価格として評価する方法。
移動平均法:新しい仕入れが行われる都度、残高評価額に〔ウ〕を加え、残高数量に仕入数量を加えた数量で割って、平均価格を算出する方法。
個別法:期末棚卸商品のすべてについて個々の〔エ〕によって評価する方法。
〔オ〕:仕入れの古い順に販売されたものと仮定し、期末棚卸商品は、期末に最も近い時に取得した商品から構成されているとみなして評価する方法。
【語群】
ア 1.低価法 2.還元法 3.時価法 4.基準在庫法
イ 1.最少二乗法 2.総平均法 3.売価還元法 4.単純平均法
ウ 1.販売価格 2.仕入価格 3.減耗額 4.値入額
エ 1.初回値入額 2.初回売価 3.値引額 4.取得原価
オ 1.先入先出法 2.最終仕入原価法 3.後入先出法 4.移動平均法
第3問 (正誤問題)
次のア~オは、予算による統制について述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)
ア 予算差異分析の結果は、予算報告書により各管理者に伝達され、事後統制活動に活用される。
イ 予算差異分析における不利差異の測定は、収益項目の実績値が予算許容値を超えた場合と、費用項目の実績値が予算許容値未満になった場合になされる。
ウ 予算差異分析は、一般的に、①予算と実績の比較による差異の測定、②差異の原因分析、③差異の責任の帰属と報告、の手順で行われる。
エ 総合予算差異分析とは、損益計算書および貸借対照表における予算と実績とを比較し、その差異を算定するものである。
オ 売上高予算差異分析における販売数量差異は、(実際販売価格-予算販売価格)×実際販売数量で求められる。
第4問 (正誤問題)
次のア~オは、GMROIについて述べている。正しいものには1を、誤っているものには2を、答案用紙の所定欄にマークしなさい。(10点)
ア GMROIは、商品投下資本粗利益率の略であり、粗利益率を在庫投資回転率で割って求める。
イ GMROIは、売価ベースで求めた商品回転率を、(1-売価値入率)で割った数値に、粗利益率を掛けて求める。
ウ GMROIが在庫金額を売価で算出するのに対して、交差比率は在庫金額を原価で算出する。
エ 欠品がある場合、販売機会ロスによって商品回転率が低くなるため、その商品のGMROIは悪化する。
オ GMROIは、粗利益額で利益を代替してみる指標であるから、これを活用するには販売費や一般管理費などの費用が、その粗利益額で補填できることが必要となる。
【解説】
ア:粗利益率に在庫投資回転率を掛けて求めるので、誤り
ウ:GMROIは在庫金額を原価で算出するのに対し、交差比率は売価で算出するので誤り
第5問 (記述)
物流ABC(活動基準原価計算)によるコスト算定を行うことで、企業の経営にとってどのようなメリットがあるか3つあげ、それぞれ1行程度で答案用紙の所定欄に記述しなさい。(25点)
どの作業にコストがかかっているのか明確になるため、コスト低減効果の高い取組を発見できる。
②現場の無駄を発見する
作業に関わる問題点がコストによって明らかになるので、無駄の発見・改善につながる。
③物流サービスのコストを計算し、小売業別に採算を分析する
クライアント別の採算分析が可能になる
第6問 (計算)
ある店では、A、B、C、D、Eの5つの商品カテゴリーを扱っています。それぞれのカテゴリーの売上高、売上構成比、粗利益率、商品回転率が次のように与えられている時、以下の、〔ア〕~〔オ〕を求めなさい。(25点)
商品カテゴリー | 売上高 (万円) | 売上高 構成比 (%) | 粗利益率 (%) | 商品 回転率 (回) | 交差比率 (単位なし) | 積数 (%) | 交差比率 貢献度 (%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
A | 120 | 30 | 25 | 4 | 〔ア〕 | ||
B | 100 | 25 | 20 | 3 | 〔ウ〕 | ||
C | 80 | 20 | 30 | 2 | 〔イ〕 | ||
D | 60 | 15 | 15 | 12 | 〔エ〕 | ||
E | 40 | 10 | 20 | 8 | 〔オ〕 |
イ:30×2=60
ウ:20×3×0.25=15
エ:15×12×0.15=27
オ:16
因みに、問題文の空欄の数字を全て埋めると以下のようになる