【中小企業診断士一次試験】企業経営理論、本当の攻略法

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こんにちわ、こっぺです。

中小企業診断士試験の初学者、経験者の方で

  • 企業経営理論で科目合格できる勉強法を知りたい
  • 来年こそは企業経営理論で60点以上を取りたい

という方、いらっしゃいませんか?

この記事では、企業経営理論で60点以上取るための考え方、テキストの選び方、過去問の使い方、理解を深めるために利用すべき動画やサービス、最後に得点源になる論点を紹介しています。

僕は過去に一次試験を6回受けている落ちこぼれです。

一昨年までは52点前後、去年は59点。。。

去年まで間違った勉強法を行なっていたことに気付き、反省し、今年は勉強法を変えて臨んだ結果、難化(科目合格率基準で昨年よりも難しくなった)したにも関わらず、60点以上取れました

その経験を踏まえて、一次試験で企業経営理論に合格するための本当の勉強法を紹介していきます。

この記事で分かること

「企業経営理論」ってどんな科目?

企業経営理論は「経営戦略論」「組織論」「マーケティング論」から出題される科目です。

勉強していて大変興味深い科目である一方、試験では大変点数が取りにくい科目となっています。

僕は恥ずかしながら1次試験を6回も受けています。

その6年間、Twitterで情報収集をしていましたが、優秀な受験生が集まるTwitterでさえ、企業経営理論の高得点報告はほとんどありません

それくらい、難しい科目だということを理解しておいた方が良いです。

一次試験での「企業経営理論」の特徴

じゃ、一次試験での「企業経営理論」はどうして点をとりにくい科目なのか。

それは、「企業経営理論ならではの出題方法」に特徴があるからです。

知識そのものの正誤を問われる問題は少ない

まず、企業経営理論では、知識そのものの正誤を問われる問題はほとんどありません

例えば、経営情報システムや経営法務では「犬は動物である、◯か✖︎か」みたいに知識そのものを問う問題が出題されますが、企業経営理論ではそんな問題、ほとんど出題されません

知識が頭に入ってることを前提に、その知識を活かして問題文と選択肢を読み解き、正解の選択肢を選ぶ、という解き方が問われるので、非常に難しいです。

そして、次に挙げる特徴が、企業経営理論をさらに難しくします

問題文と選択肢が複雑

企業経営理論の出題特徴として、「問題文と選択肢が非常に複雑」が挙げられます。

企業経営理論は、「言い回しが独特」とよく言われるんですよね。

例えば、選択肢の中で「〇〇が生産されないことはない」みたいなややこしい表現が頻繁に出てきます。

それなら「生産されることがある」って書いてくれよ!と思ってしまいませんか?w。

後に過去問を解いてみて分かると思うのですが、とにかく企業経営理理論の問題文・選択肢は複雑です

年度によってはテキストに載っていない知識を問われる

年度によっては、テキストに載っていない知識を問われることもあります。

これはあくまで独学で勉強してきた僕個人の見解ですけど、近年出題されている「ファミリービジネス」とか「エフェクチュエーション」っていう論点は、僕の買ったテキストには詳しく載っていませんでした。

というように、テキストに載っていない知識を問われることがあるのも一次試験「企業経営理論」の特徴の1つです。

1次試験で「企業経営理論」に合格するための必要な考え

上で、企業経営理論の出題特徴を挙げながら、得点しづらい科目だということを紹介してきました。

じゃ、どうやって勉強したら合格できる?ということを、僕個人の経験から紹介していこうと思います。

企業経営理論は「60点」を越えればいい

ここ、非常に大事なところですが、企業経営理論は60点を超えれば良いという考えで勉強するべきです。

つまり、頻出論点・重要論点に絞って理解・深堀していく勉強をする、ということです。

高得点を狙ってはいけません
高得点を狙おうとすれば、余計な知識の深堀をしなくちゃいけないので時間がいくらあっても足りません。

例えば、毎年、高確率で組織論 補訂版 (有斐閣アルマ)から1問出題されますが、高得点を狙うためにこの本を読むのはオススメしません。難しいし、時間がかかるから。

二次試験で問われるような基本論点と頻出論点、重要論点を外さなければ50点は取れますし、そこに労働法とか新しい論点で数点プラスすれば、60点を超えるので合格できます。

「暗記」ではなく「理解」

企業経営理論は、論点を暗記するのではなく「理解」することが大事です。

上でも書きましたが、知識そのものを問われることは滅多にありません。
知識を違う切り口から問われたり、具体例のような問題から知識を問われたりしますので、理解しておかないと解けません。

例えば、こんな問題。

第20問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
メーカーA社では、経営陣が「次世代の主力製品」と鳴り物入りで導入した製品X
について、累積損失が膨らんだため、市場から撤退する決定がなされた。実は 5 年
ほど前から、製品Xには深刻な問題があると気づいていた現場管理者が数人いた。
生産上のトラブルが続き、そのコストを価格に転嫁すれば競争力を失うことに気づ
いていたのである。しかしこの情報が、経営陣に伝わるには時間がかかりすぎた。
その原因を探求すると、以下のような状況であったことが分かった。
生産現場の管理者たちは、改善運動で成功してきた実績と有能感を持っていた。
当初は、改善運動で問題が処理できると考えていたが、マーケティング面の問題が
より深刻であることが分かった。そこで彼らは、製品Xのプロジェクトマネジャー
(以下、「ミドル」という)に問題の深刻さを伝える報告書を作成した。A社では、こ
うした報告書には改善提案を付けることが当然視されていたため、時間をかけて詳
細なデータを付けた。
しかしこの精緻な報告書は、製品Xの導入決定の際に、トップ主導で行った生産
やマーケティングの調査を根底から覆すような内容を含んでいた。そこでミドル
は、まず現場管理者たちに、その報告書に記載されたデータが正しいのか詳しく調
べるよう指示した。報告書が正しそうだと分かると今度は、経営陣に悲観的な情報
を小出しに流し始めた。経営陣からはいつも「説明資料が長すぎる」と叱られていた
ので、資料のデータを大幅に割愛し、問題の深刻さをオブラートに包み、現場では
事態を十分掌握しているように表現していた。そのため経営陣は製品Xについて、
引き続き「次世代の主力製品」と熱い期待を語り続け、必要な財務的資源も保証して
いったのである。
現場の管理者たちは問題点を指摘したにもかかわらず、経営陣は製品Xへの期待
を語り、ミドルからは再検討の要請がなされたため混乱した。そのうち彼らは、製
品Xに悲観的な資料を作ることを控え、責任はミドルにあると考えるようになっ
た。やがて、納得したわけではなかったが、あまり気に留めることもなくなった

令和元年 中小企業診断士試験1次試験 企業経営理論

(設問 1 )
あなたがコンサルタントとしてA社の問題を分析するとしたら、A社の組織メ
ンバーが持つ行動モデルに当てはまるものはどれか。最も適切なものを選べ。
ア 自分たちの考え方を頻繁に検証する。
イ 情報の妥当性を重視する。
ウ 積極的にリスクを取ろうとする。
エ 全社的な観点から自己の責任を果たそうとする。
オ 問題の論理的な部分を重視し、感情的な部分は排除しようとする。
(設問 2 )
あなたがコンサルタントとしてA社の組織を変革する際に、その方針や手段と
して、最も適切なものはどれか。
ア Off-JT のワークショップやセミナーを活用し、真実を明らかにしたからと
いって不利な立場に立たされることはない、という態度を経営者が率先して組
織メンバーに身に付けさせる。
イ 与えられた目標について利得の可能性を最大化し、損失の可能性を最小化す
るよう、組織のメンバーを動機づける。
ウ 管理職には自らの役割を明確にさせ、それを強化するために、他者に指示を
出したり、他者を傷つけることのないよう、伝える情報の範囲を自身でコント
ロールするよう訓練する。
エ 組織のメンバーは個人の責任と業績に応じて適切に報酬を得ることができ
る、という理念を定着させる。
オ 組織の和を重視し、組織メンバーや既存の制度を脅かすような言動は慎むようにする

令和元年 中小企業診断士試験1次試験 企業経営理論

これ、組織変革に関する問題で、情報整理と組織変革をするための具体策を当てる問題なんですけど、組織変革の流れを理解していないと解けない問題です。

こういう問題が多いので、論点を暗記しただけでは解けません

論点を理解するように、勉強していってください
その方が、二次試験のためにも良いです。

「企業経営理論」合格のための勉強法

上で、企業経営理論を合格するには「60点を超えるくらいの勉強量で良い」「暗記よりも理解」ということをお伝えしましたが、じゃ、「どんなテキストを使ってどういう勉強をしていけば良いのか」「テキスト以外で活用できるものはあるか」ということを紹介していきます。

テキストは分かりやすいものを使う

企業経営理論の勉強では、テキストは分かりやすいものを使うことをオススメします。

本屋さんで立ち読みしたり、ネットやTwitterで他の受験生や合格者の人達が使っているテキストやその感想を見て「良さそうだな」と思ったものを選んでください。

テキストも予備校選びと同じで、「自分に合ったもの」を選ぶのが一番です。
内容が分かりづらかったら理解できないし、モチベーションが下がりますし、点数も取れません。

【テキスト選びに失敗したくない人へ】図書館を有効活用しよう

僕の住んでいる街には、都会のように診断士試験関連のテキストを揃えているお店がありません。

主にネットやTwitterから情報収集をして、良さそうなテキストを選んでいました。

ただ、1冊数千円するので、合わなかった時のことを考えるとちょっと怖いですよね

近くに大きな書店がない、中身を見てから買いたい、そんなテキスト選びに失敗したくない人には、図書館の有効活用をオススメします。

最寄りの図書館にテキストがあれば読んでみたり、ちょっと時間はかかりますが、気になるテキストをリクエスト(読んでみたい本を図書館に置いてもらうようにお願いすること)して、届いてから読んでみて買うのもオススメです。

僕は一回に数冊のテキストをリクエストして読み比べてから買うようにしてましたw
自分のお金で買うわけではないし、他の人のためにもなるし。

「あ、これ、分かりやすい」と思ったものを選んで買えば、テキスト選びに失敗しませんし、勉強が捗ります。

【参考までに】僕が使ったテキスト

因みに、僕は以前シゲさん(@shige_0086)に教えてもらった2冊使いをしてました。

1冊目がまとめシート、2冊目がTACのスピテキです。

まとめシートを使うメリットは

  • とにかく図解が多いのでイメージとして覚えやすい
  • 必要なことを要約した文章が多いので読むストレスが少なく、覚えやすい
  • 自分に必要だと思ったことを書き込めば、試験当日はまとめシート1冊で充分
  • 全体的にとっつきやすい

です。

TACのスピテキを使うメリットは

  • 基本論点・重要論点の説明が詳しく丁寧なので、まとめシートの知識を深堀できる
  • 試験を意識した説明文なので、間違いやすい部分が太字で記されていて意識して覚えられる

です。

よかったら参考にしてみてください。

過去問は「5年分」で充分

企業経営理論の勉強で使う過去問は「5年分」で充分です。

5年分しか解かないのは不安かもしれませんが、僕は5年分の過去問を5周し、頻出論点・重要論点を理解・暗記していったことが今年(令和4年)の合格につながったと思います。

5年分の過去問で合格するためにしたことは、以前、とーし(@toshi_air)さんから教えていただいたように、選択肢の指摘をしながら解いていく方法です。

「選択肢のここが間違っている」と1問1問、各選択肢を指摘していく勉強法で、頻出・重要論点の理解を深められました

おかげで試験当日、選択肢を削ることに死ぬほど悩むことが少なくなり、合格まで辿り着けました。

オススメの5年分過去問集

オススメの5年分過去問集は、TACの一次試験過去問集です。

TACの一次過去問集を使うメリットは

  • 一問ごとにTAC受講生の正答率が分かる。
  • 解説がピカイチ
  • スピテキを使っているなら、知識を補完してくれるから相乗効果で勉強がススム

択一式の試験で合格するには、皆が当てている問題を間違えず、堅く点数をとっていく事が大事です。

TACの一次過去問集は、解答ページで一問ごとにTAC受講生の正答率が高い順からA〜Eで表されています。

つまり、正答率がA・B・Cの問題を間違えていれば、手堅く点数を取れないことになるので、合格点に辿り着けませんから、危機感を持って復習ができます

そして、解説がピカイチなので、とても分かりやすいです。

最後に、TACのスピテキを使っているなら、相乗効果が得られます

TACスピテキの内容は、頻出論点・重要論点は網羅していますが、足りない情報が出てきます。

TACの一次試験過去問には、その足りない情報を補完してくれるような説明が掲載されているのでテキストで分からないところもサクサク理解が進みます。

「過去マス」中心の勉強は自滅する

企業経営理論に限って言うと、僕は過去マス中心の勉強は自滅すると思っています。

その理由は、昨年(令和3年)の僕がそうだったからです。

過去マスをぶん回せば合格できる!と思っていましたが、結果的には合格できなかったし、試験当日も選択肢から正解を選ぶのに死ぬほど悩んだのを覚えています。

つまり、ぶん回しても理解ができていなかったってことなんですよね。

企業経営理論の過去マスって、こんなに分厚いんですよ。

これだけ分厚い過去マスを限られた時間の中でブン回そうとすると「正解しているかどうか」だけに注目してしまって他の選択肢のどこが間違っているのかを指摘しようとしないんですよね。

だから、論点に対しての理解が乏しく、試験に落ちたのだと猛省しました。

「過去マス」の上手な活用法

過去マスはメインで使えば自滅しがちですが、上手に活用すると点数を伸ばす事も可能です。

例えば苦手論点の強化労働法のような暗記だけの論点の定着とか。

加えて、復習でのイナズマ勉強法に活用できますよね。

イナズマ勉強法は、例えば、テキストでドメインの論点を読んだら、すぐにドメインに関する過去問を解く勉強法です。

テキストで知識をインプットした後に、問題集を解いてアウトプットすることで知識の定着や理解を深められます。

過去マスは、論点別に過去問がまとめられているので、イナズマ勉強法にはぴったりの過去問集ですよ。

「模試」を受ける

一次試験が近づくと、TACさんやLECさん、他の予備校で一次試験模試の受付が始まります。

模試は一応受けておいた方がいいです。

正直、予備校の模試は難しいです(特にTACさんの模試は激ムズw)。

点数は低くて当たり前なので、気にしないようにしましょう。

でも、1つの論点を試験とは違う切り口から問うような問題が出てきますし、試験委員の先生の本や近年の試験で出題された新しいテーマを模試でも出題してくるので、知識の補充にもなります。

因みに、僕は今年のTAC模試で企業経営理論の点数が38点でしたが、本試験では62点でした。

「理解度を問う」「新しい知識を入れておく」目的で模試を受けておいた方がいいです。

「ほらっち先生」の動画を活用する

診断士試験受験生界隈で有名なほらっち先生の動画を活用してください。

ほらっち先生はYouTubeで「ほらっちチャンネル」を運営する中小企業診断士さんです。

ほらっちチャンネルでは、経営戦略についての解説動画が無料で見れます

企業経営理論で問われる論点・知識がイマイチ理解できない人は、誰かに教えてもらうのが一番良いんですよね。

ほらっちチャンネルの経営戦略の解説動画を見ると分かりやすく解説してくれるので、利用してみてください。

「グロービズ学び放題」を利用する手もアリ

中小企業診断士試験向けではなく、試験範囲を網羅している訳ではありませんが、【GLOBIS 学び放題】 を利用する方法もアリかなと思います

「グロービズ学び放題」は会社が利用しているので僕も利用させてもらっているのですが、基本論点の分かりやすさはピカイチです。

1論点、8分〜10分の動画で学べるし、事例を挙げて説明してくれるのでとても分かりやすいしイメージしやすくて覚えやすいです。

因みに、グロービズ学び放題で学べる、企業経営理論の論点は次の通りです。

VRIO分析ポーターの3つの基本戦略イノベーションのジレンマ
ネットワーク経済性(外部性)SWOT分析アンゾフのマトリクス
バリューチェーン5フォースモデルPEST分析
3C分析規模の経済性習熟効果(経験曲線効果)
範囲の経済性X理論・Y理論組織文化
マズローの5段階欲求説SECIモデルMBO
コンフリクトハロー効果パワー
エンパワーメントPM理論動機付け・衛生要因
STPポジショニングPPM
マーケティングミックス製品ライフサイクルブランドエクイティ
キャズムチャネルCRM

他にも役に立つ動画が月額1834円(半年契約の場合)で見放題なので、コスパは高いと思います。

状況によっては「科目買い」も視野に入れる

テキストや副読本を読んでも内容が難しい、過去問演習をしていても意味が分からない。

そんな状況な予備校や通信教育の「科目買い」も有効です。

「科目買い」とは、「企業経営理論」のカリキュラムだけ購入すると言う事です。

【おまけ】○○○は点数源

おまけとして紹介しますが、実は、労働法って点数源です。

「労働法」は範囲が広いと言って捨て問にしがちなのですが、ここ近年、出題される範囲は決まっているし、単に知識を問われる問題が多いし、答えはハッキリしているので覚えやすいです。

事実、僕が使ったスピテキに書いてある範囲を覚えていっただけで、4問中3問正解していました。

ページ数だと約30ページ、頻出している法規を中心に勉強するとそれだけで6点〜8点ほど堅く取れます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

企業経営理論は、あなたにとって分かりやすいテキストを使い、頻出論点に絞って理解を深め、60点超を目標に勉強していけば、合格できます。

そのために、5年分の過去問集をメインに使い、択一式試験の合格セオリーである「皆が当てている問題を外さない」を意識して勉強していくことが大事です。

企業経営理論に関しては、過去マスを何周も回そうとすると、分厚いので周回できないし、正解だけを求める傾向になるので理解が深まらないし、点数取れないしで心が折れます。

テキストを読んでいてもいまいちピンとこない時は、ほらっち先生の動画やグロービス学び放題、科目買いを利用してしっかりと理解することをオススメします。

企業経営理論は二次試験でも使う知識満載の科目です。

範囲が広く難解な科目ですが、地道にコツコツと積み上げていきましょう。

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