【鮮魚部門の戦略】売上・利益を伸ばしたいなら売場と品揃えを今すぐ変えろ

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この記事で分かること

【鮮魚部門の戦略】今すぐ売場・品揃えを変えた方が良い理由

地域密着型中小スーパーの鮮魚部門が売上・利益を伸ばしたいなら今までの品揃え、売場づくりは今すぐ変えた方がいいという事です。

どうして品揃え・売場づくりを今すぐ変えた方がいいのか、従来の鮮魚部門の売場・品揃えが売上・利益を落とす理由を挙げて説明していきますね。

お客様の魚離れが進んでいる・品揃えがニーズに合わないので売上が作れない

昔、鮮魚部門の売上がピークだった頃、当時のお客様は魚に対しての関与(興味・購買意欲)が高かったので、刺身はもちろんのこと、生魚でも売れた時代でした。

現在は若い世代を中心に魚離れが起きていて、刺身はもちろん丸魚だって売れない時代です。

お客様が魚離れを起こす理由
  • 魚をさばけない
  • 臭いから触りたくない
  • 台所を汚したくない
  • 手間がかかる、時間がない
  • 美味しい食べ方が分からない
  • 子供が食べない

魚に対して関与が高い世代(個人的には団塊の世代と感じています)も、全客数に対する割合としてはこれからどんどん減少していく上に、世帯人数が1人〜2人になるので購買点数・単価が下がります。

ヒント

2021年現在、魚に対して関与の高かった「団塊の世代」の方達は現在70歳前後。ライフステージとしてはお子様が自立されて、配偶者との2人暮らし・1人暮らしと考えられる世代です。

まとめると、従来の品揃えで購買してくれるお客様が減っていき、購買してくれないお客様が増えていくので売上・利益が下がりますよということです。

「変動費」「固定費」が増えていく

お客様の魚離れが進んでいるにも関わらず、従来の売場作りを続けると変動費・固定費が増えていきます。その流れと理由を説明しますね。

従来の品揃えが変動費・固定費を増やす流れ
  1. 売上を作るために仕入を起こす(変動費↗️)
  2. 仕入量に比例して加工が増える(固定費↗️)
  3. 加工し売場に陳列するが売れ残りが発生する
  4. 売り切るために値引をする(固定費↗️)
  5. 目標売上に達しない場合、さらに仕入を増やす(変動費↗️)

鮮魚部門の場合、売上を作るために仕入を起こすと、それに比例して加工が増えるので人件費(固定費)が増加します。

加工して売場に陳列するものの、従来の品揃えが現在のお客様のニーズにマッチしないために値引して売り切る必要があるため、この段階でまた値引きのための人件費が増加します。

売上予算達成・売上を作るために「悪循環」を起こす。

スーパーマーケットでは当然のように「売上予算」の達成を求められるので、売上予算が未達の場合、仕入をさらに増やします。それによって、変動費と固定費がさらに増加していきます。

「どうして損することを繰り返すの?」と思うかもしれませんが、従来の品揃えを売場づくりのベースに捉えていると、斬新な切り口が思い浮かばないため、従来のやり方に頼るしかないからです。

粗利率が下がる

鮮魚部門が従来の売場・品揃えで売上を作ろうとする場合、お客様のニーズとマッチしない商品が多くなるので、売上を伸ばそうとするためにISP(インストアプロモーション)・本部で設定する特売が多くなります。

ISP・特売では主に売価を下げるので、値入・粗利率が下がりますし、精度の低い売上予測と過剰発注が重なった場合、値引きがもっと増えるのでより粗利率が下がります。

【鮮魚部門の戦略】売上・利益を伸ばす売場・品揃えとは

従来の鮮魚部門の売場・品揃えを続けていけば、売上・粗利が下がって経費が増えることが分かると思いますし、この記事を見ているあなたも実際の業務で勘づいていたり、実感しているのではないでしょうか?

ここからは、そんな鮮魚部門の業績を上方修正させるための売場・品揃えをお教えします。

若い世代のお客様の購買行動をチェックしておく

鮮魚部門の売上・利益を上げるなら若い世代のお客様はキーパーソンです。

魚離れを起こしている若い世代のお客様は、1日の客数の中でも3割〜4割くらいのボリュームがありますので、この年代層に鮮魚部門の商品を買ってもらえると、売上は上がりますよね。

それに、若い世代のお客様、魚離れを起こしているとはいえ、全員が魚や鮮魚部門の商品を買わないのかというとそうではないんです、若い世代のお客様でも魚や鮮魚部門の商品を買っていくお客様はいるんです

ですので、若い世代のお客様の動向をチェックし、鮮魚部門の商品を買ってもらえるような政策を打っていきます。

ここで、これから文の中で出てくる「若い世代」という人達のペルソナを設定しておきますね。

鮮魚部門に来る若い世代のお客様のペルソナ

・年齢:30代前後
・既婚
・共働き
・夫、子供2人の4人家族
・主に平日の夕方、週末に来店
・食費は月に7万円ほど
・料理をするのは好きな方
・買い溜め、まとめ買いをよくする
・家族の健康には普通に気を配る
・インスタ、Facebookを利用している

因みに、「ペルソナ」はマーケティング用語で「想定できる、標的となる人物象」のことを言います。鮮魚部門に立ち寄る若い世代のお客様はこんなお客様、という想定のもとでこれから記事を書いていきます。

商品を売場に陳列する際や、加工場が対面になっている店舗では、従業員が加工の際に時々チェックするだけで良いです。そして、次の項目をチェックしておきます。

ここをチェック
  • どのような魚・商品が好まれる・可能性があるのか
  • どのくらいの量目を買っていくのか?

把握できたところで、次のような施策をしていきます。

若い世代の人が好む(可能性のある)魚・商品を把握して「PDCA」を回す

ペルソナのような若い世代のお客様が好む魚・商品を把握したら、どうしたらもっと多くのお客様に買って貰えるか、仮説を立てて検証していきます。

生魚であれば、どの魚種とその調理品にチャンスがあるのか、水産加工品であればどの商品のどの量目が最も売れるのか、そして、お客様は購入後にどんな料理に使うのか。

そこまで推測・仮説を立てて販売点数が伸びるようにPDCAを回していきます。

PDCAはPlan(仮説と計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(次の仮説)の頭文字を取ったもので、思った結果が出るまでその流れを繰り返すことを言います。

若い世代が買っていく「量目」を意識して商品を作る

そして、加工済商品やその他の商品も若い世代のお客様が買っていく量目を意識してSKUを作ります。

若い世代のお客様のほとんどは夕方の忙しい時間帯に買い物にきますので、買いたいと思ったものをサッとカゴに入れて買って帰りたいわけですよ。

もし、欲しい量目の商品が無かったら、店員さんに声をかけて作ってもらうお客さんもいらっしゃると思いますけど、ほとんどのお客様は商品を買わずに売場を去るでしょう。もったいないです。

ペルソナのようなお客様が買いに来ることを想定して、商品SKUを作って陳列しておくと「気が利く」と評価していただくこともありますので、部門・お店のイメージアップにも貢献します。

死に筋商品・ロスが多い商品は割り切って定番カットする

売れていない商品・ロスが多く発生している商品は割り切って定番カットしてください。そうすることで値引・廃棄の固定費削減と余分な仕入削減ができます。

本来、こういう判断は販売データ上で見て、利益が取れているか取れていないかで決めるべきなのに「売場が埋まらないから」「お客様の要望品」とか理解できない理由でロスが発生している商品をいつまでも置いている担当者も結構います。

売れていない商品が多く存在する売場は商品回転率が下がって販売効率が下がりますし、ロスが多く発生している商品が多い売場は粗利高を減らします。

いますぐ改善した方が良いです。

まとめ

従来の鮮魚売場・品揃えでは、現在のお客様のニーズに合わず、何も変えずに運営していけば変動費・固定費アップ、粗利益ダウンで衰退の道をたどります。

低迷気味の鮮魚部門の売上・粗利を向上させるなら、今来店していただいているお客様、特に若い世代のお客様のライフスタイル・ニーズを把握して、それに合わせるように商品作り・品揃え・売場作りをし、「仮説・実施・検証」を繰り返すことが必要です。

良い結果が出ない従来の売場作り・品揃えを思い切って変えること、お客様のニーズを掴んで商品を作り提供することが初めの一歩です。

明日から意識してみてください。

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