2社で働いてみて、はっきりわかったことがあります。
それは、パワハラ気味の上司がいる職場では人が辞めやすいということです。
そして人が辞めると、残った人の負担が増え、現場は疲弊し、結果として生産性が下がっていく。
にもかかわらず、当の上司はその現実に気づいていない、もしくは気づいていても直そうとしないことが多い、ということです。
もちろん、厳しさがすべて悪いとは思っていません。
仕事をする以上、注意しなければいけない場面はありますし、甘いだけでは現場は回りません。
ただ、私が見てきたのは「厳しい指導」ではなく、「相手を萎縮させる関わり方」です。
その違いは、現場にいるとよくわかります。
この記事では、2社で働いて感じたことをもとに、人が辞める職場に共通する上司の特徴と、その背景にある問題について書いていきます。
2社で働いて気づいたこと
職場の空気を決めるのは上司のあり方
会社が違っても、職場の雰囲気を大きく左右するものは共通していました。
それが、上司のあり方です。
設備や仕組み、忙しさ、人員体制の差はもちろんあります。
でも、最終的に「この職場で働き続けたいかどうか」に強く影響するのは、日々いちばん近くで関わる上司の言動でした。
定着しにくい職場にある共通点
上司の言葉が強すぎる。
ミスに対して必要以上に詰める。
人前で責める。
感情で圧をかける。
できていることより、できていないことばかりを見ている。
こうしたことが続く職場では、人が定着しにくいと感じました。
辞める職場には辞めるだけの理由がある
辞めていく側は、必ずしも「この上司が嫌だから辞めます」と正直に言うわけではありません。
波風を立てたくない人もいますし、自分の中でも言語化しきれないことがあります。
でも、現場で見ているとわかります。
人が辞める職場には、やはり辞めるだけの理由があります。
人が辞める職場の上司に見られた特徴
言い方が強く、相手を萎縮させる
私が見てきた中で、人が辞めやすい職場の上司にはいくつか共通点がありました。
まず、言い方が強いことです。
本人は「指導しているだけ」「仕事だから当たり前」と思っているのかもしれません。
でも、受け取る側からすると、常に否定されているように感じることがあります。
自分の言動が離職につながっていると考えない
次に、自分の言動が離職につながっていると考えないことです。
誰かが辞めても、「最近の若い人は我慢が足りない」「根性がない」「合わなかっただけ」と片づけてしまう。
自分の関わり方を振り返る発想があまりありません。
現場の負担を軽く見ている
さらに、人が減った後の現場負担を軽く見ているところもありました。
ひとり辞めれば、その穴は誰かが埋めることになります。
残業が増える。教育の手が回らない。空気が悪くなる。余裕がなくなる。
それでも上司本人は、「なんとかなるだろう」と思っているように見えることがありました。
なんとかしているのは現場
けれど実際には、なんとかしているのは現場です。
残った人たちが無理をして、なんとか持たせているだけです。
なぜそんな上司が生まれるのか
自分も怒られて育ってきた背景
これは私の考えですが、パワハラ気味の上司の中には、自分自身も怒られて育ってきた人が多いのではないかと思います。
新人の頃に厳しく叱られた。
理不尽な言われ方をされた。
それでも仕事を覚えてきた。
そういう経験があると、「仕事は厳しく教えられて当たり前」「甘くすると育たない」という感覚が染みついてしまうのかもしれません。
悪意ではなく“普通”になっている
本人に悪意があるとは限りません。
むしろ「自分もそうやって育てられたのだから、これが普通だ」と本気で思っていることもあるでしょう。
通用したことと、正しかったことは別
でも、過去に自分が受けたやり方が、今の時代にも通用するとは限りません。
厳しさと威圧は違います。
指導と萎縮させる関わり方も違います。
昔はそれで耐えられた人が多かったのかもしれません。
けれど、耐えられたことと、それが正しかったことは別です。
いまの時代に「人はまた入ってくる」は通用しない
人材確保は簡単ではない時代
ここはとても大事だと思っています。
いまの日本は、以前のように「辞めてもまた採ればいい」と簡単に考えられる状況ではありません。
厚生労働省の資料でも、生産年齢人口の減少が進む中で、人材確保は大きな課題として扱われています。
古い前提で職場が動いている
それなのに、現場によってはまだ「辞めたら次を入れればいい」という前提で動いているように見えることがあります。
でも実際には、人を採ること自体が難しくなっています。
採用できても、定着しなければ意味がありません。
ようやく入ってくれた人が、上司の関わり方ひとつで辞めてしまう。
それはかなり大きな損失です。
離職原因の放置は現場にとって深刻
人が足りない時代に、人が辞める原因を放置する。
これは現場にとってかなり深刻な問題だと思います。
人が辞めると職場で何が起きるのか
まず残った人の負担が増える
人が辞めると、まず残った人の負担が増えます。
仕事量そのものが減るわけではありません。
だから誰かが、その穴を埋めることになります。
シフトがきつくなる。教える時間がなくなる。気持ちの余裕がなくなる。
ひとり抜けただけでも、現場のバランスは簡単に崩れます。
新人教育が難しくなる
新人教育も難しくなります。
本来なら丁寧に教えるべきことが、忙しさの中で雑になる。
すると、新しく入った人も不安を抱えやすくなり、また辞めやすくなる。
こうして悪循環が生まれます。
空気が悪くなり、生産性が下がる
職場の空気も悪くなります。
誰かが常にピリピリしている。
質問しにくい。ミスを隠したくなる。
助け合うより、自分が責められないことを優先するようになる。
その結果、現場全体の生産性が下がっていきます。
最終的には上司自身の負担も大きくなる
そして、最終的には上司自身の負担も大きくなっていきます。
人が足りない分を埋めるために、自分が現場に入る時間が増える。
教育が追いつかないことで同じ説明を何度も繰り返す。
トラブル対応やフォローに追われ、本来やるべき管理業務まで圧迫される。
人が辞める職場では、上司自身も余裕を失っていくのです。
悪循環は上司にも返ってくる
つまり、人が辞めることで苦しくなるのは部下や現場だけではありません。
最終的には、その環境をつくっている上司自身にも返ってきます。
それでも会社が問題視しない理由
成績のいい上司は評価されやすい
ここがいちばん根深いところかもしれません。
パワハラ気味の上司ほど、営業成績がいい人が多い。
私はそう感じることがありました。
数字をつくる力がある。
結果を出している。
だから会社も評価する。
そして「多少厳しくても、成果を出しているから」と見過ごされやすい。
離職や疲弊は数字に表れにくい
でも、その裏で何が起きているかは、数字にすぐ表れません。
人が辞める。
残った人が疲弊する。
教育の質が落ちる。
現場の空気が悪くなる。
長い目で見ると、組織として弱っていく。
短期の成果ばかり見ると損失を見逃す
それでも会社が短期の成果ばかりを見ていると、この損失は見逃されやすいのだと思います。
本当は、売上や営業成績だけではなく、
その人の下で人が育っているか、
人が残っているか、
安心して働ける空気があるか、
そういうことも評価されるべきではないでしょうか。
本当に見るべきなのは売上だけではない
売上だけで優秀さは測れない
売上は大事です。
成果も大事です。
それは間違いありません。
でも、売上だけを見て「この上司は優秀だ」と判断するのは危ういと思います。
見えないコストが積み上がっている
人が次々辞めている。
いつも現場がギリギリで回っている。
新人がなかなか育たない。
質問しにくい空気がある。
こうした状態が続いているなら、そこには見えないコストが積み上がっています。
しかも、そのコストは後からじわじわ効いてきます。
採用コスト、教育コスト、引き継ぎの負担、離職による士気低下。
こうしたものは売上の数字ほどわかりやすくありませんが、確実に組織を削っていきます。
人が辞める現状を変えなければ、上司自身の首を絞める
人が辞めていく現状を変えなければ、苦しくなるのは部下だけではありません。
最終的には、上司自身の首を絞めることになると思います。
人が定着しない。
育つ前に辞める。
そのたびに現場は不安定になり、上司の負担も増えていく。
短期的には厳しく押して成果を出しているように見えても、長い目で見れば、自分で自分を追い込む形になってしまうのです。
これから必要なのは職場を持続させる上司
本当に強い上司は、目先の数字だけを追う人ではなく、職場を持続させられる人だと思います。
人を追い込んで成果を出すのではなく、人が残り、育ち、結果として現場が強くなる。
そういうマネジメントのほうが、これからの時代には必要なのではないかと感じています。
まとめ
人が辞める職場にはやはり理由がある
2社で働いてわかったのは、人が辞める職場にはやはり理由があるということです。
そして、その理由のひとつに、上司のあり方は確実にあると思います。
上司のあり方が定着率と生産性を左右する
言い方が強い。
人を萎縮させる。
自分の言動を振り返らない。
人が辞めても深刻に受け止めない。
数字が出ていれば問題ないと思っている。
こうした上司の下では、人が定着しにくくなります。
その結果、残った人の負担が増え、現場は疲弊し、生産性まで下がっていきます。
放置すれば上司自身も苦しくなる
しかも、その状況を放置すれば、最終的には上司自身の負担も大きくなっていきます。
人が辞める現状を変えないことは、部下だけでなく、自分自身の首を絞めることにもつながるのです。
「最近の人は」で終わらせない
それなのに、本人も会社も、その問題を正面から見ないことがある。
だからこそ、この問題は厄介です。
人が辞めるのは、本人の我慢が足りないからだけではありません。
職場には、職場の理由があります。
もし今、あなたの職場でも人が続かないなら、
「最近の人はすぐ辞める」で終わらせるのではなく、
上司のあり方や職場の空気に原因がないか、一度立ち止まって考えてみてもいいのではないでしょうか。

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