水産部門の属人化を防ぐには何が必要か

水産部門って、どうしても属人化しやすいです。

「あの人がいないと刺身が作れない」
「あの人が休むと売場が決まらない」
「あの人しか発注できない」

こんな状態になっているお店は、正直かなり多いと思います。

でもこれは、その人が優秀だから済む話ではないんですよね。
むしろ、その状態を当たり前にしてしまうと、部門としてはかなり危ないです。

人が休めない。
新人が育たない。
異動や退職があると、一気に売場のレベルが落ちる。

水産部門の属人化って、現場ではよくあることなんですが、放っておいていい問題ではありません。

今回は、水産部門の属人化を防ぐには何が必要なのか、現場目線で書いていきます。

目次

そもそも水産部門はなぜ属人化しやすいのか

理由はシンプルで、水産の仕事は人によって差が出やすい仕事だからです。

魚をさばく技術。
刺身を切る技術。
盛り付けの見せ方。
売れ筋の読み。
発注の感覚。
値引きのタイミング。

こういうものって、全部マニュアル通りで済むわけじゃないんですよね。

同じ魚でも、脂の乗り方も違うし、サイズも違うし、入荷状態も毎回同じではありません。
その日の天気、曜日、客層でも売れ方は変わる。

だから結局、最後は経験のある人の判断に頼りやすくなります。

しかも現場は忙しいので、じっくり教える時間も取りづらい。
そうなると「見て覚えて」「とりあえずやって覚えて」になりやすいです。

これが、水産部門で属人化が起きやすい大きな理由だと思います。

属人化が進むと何がまずいのか

属人化って、一見すると悪いことに見えない場合もあります。

仕事ができる人がいて、その人が部門を支えてくれている。
現場からすると助かるのは事実です。

でも、その状態に頼り切ってしまうと、あとで必ず苦しくなります。

一番わかりやすいのは、その人がいないと回らないことです。

休みを取った日。
体調を崩した日。
異動した日。
辞めた日。

その瞬間に売場が崩れるなら、それは部門として強い状態ではありません。

それに、属人化が進むと新人も育ちにくいです。
ベテランが何でもやってしまうので、周りは補助作業ばかりになる。
結果として、いつまでたっても“できる人”が増えないんですよね。

できる人に仕事が集まる

周りが育たない

さらにできる人に頼る

この流れに入ると、なかなか抜け出せません。

属人化を防ぐために必要なのは「見える化」です

水産部門の属人化を防ぐうえで、まず必要なのは見える化です。

できる人の頭の中にしかないものを、外に出していくことです。

たとえば、

  • どの魚をどの規格で商品化するのか
  • 刺身はどれくらいの厚みで切るのか
  • 盛り付けで気をつけるポイントは何か
  • 開店前に何を優先して作るのか
  • 何を基準に発注数量を決めているのか

こういうことを、口で伝えるだけで終わらせない。
紙でもいいし、写真でもいいし、メモ書きでもいい。
とにかく残すことが大事です。

立派なマニュアルをいきなり作る必要はありません。
最初はA4一枚でも十分です。

属人化を防ぐというのは、特別なことをするというより、
できる人しか知らないことを、みんなが見える状態にしていくことだと思います。

手順だけでなく「判断基準」を共有することが大事

ここはかなり大事なポイントです。

属人化対策というと、作業手順をまとめようという話になりがちなんですが、実際はそれだけでは足りません。

本当に差が出るのは、手順よりも判断の部分だからです。

たとえば発注でもそうです。

前日の実績を見て数量を決める。
もちろんそれも大事なんですが、実際にはそれだけじゃないですよね。

曜日も見る。
天気も見る。
特売も見る。
相場も見る。
近隣の動きも見る。

ベテランの人は、そういうものを全部ひっくるめて判断しています。

でも、その判断の中身が言葉になっていないことが多い。
だから周りからすると、「なんでその数量になるのか分からない」となります。

これでは引き継げません。

属人化を防ぎたいなら、
「どうやるか」だけじゃなく、
「なぜそうするのか」まで共有することが必要です。

一人しかできない仕事を作らないこと

これもかなり重要です。

刺身加工でも、発注でも、売場づくりでも、
一人しかできない仕事がある時点で、属人化は進みます。

現場としては、できる人がやった方が早いです。
失敗も少ないです。
正直、その方がその日の仕事は回しやすいです。

でも、それを続けていると、ずっと同じ人に仕事が集中します。

短期的には効率が良くても、長期的にはかなり危ないです。

なので、主要な仕事は最低でも2人、できれば3人が触れる状態にしたいです。

最初は時間もかかるし、教える側も面倒です。
教わる側も失敗します。
でも、そこを避けてしまうと、結局ずっと属人化したままになります。

部門を安定させたいなら、
少し非効率でも任せる時間を作ることが必要です。

教育を個人任せにしないこと

水産部門でありがちなのが、「教えるのが上手い人」に教育が偏ることです。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。
でも、その人に任せきりになると、教育そのものがまた属人化します。

これも結局、同じ問題なんですよね。

だから教育は、気合いやセンスではなく、ある程度仕組みにした方がいいです。

たとえば、

  • 入社1か月で覚えること
  • 3か月で任せたい作業
  • 半年で挑戦させたい業務
  • チェックするポイント

こういうものが決まっているだけでも、育成はかなり変わります。

忙しい現場ほど、「時間ができたら教える」は機能しません。
なので、教える内容と順番をある程度決めておくことが大事です。

管理者が見るべきなのは「頑張り」ではなく「共有されているか」

属人化を防ぐには、現場の担当者だけでは限界があります。
やっぱり管理者の見方が大きいです。

管理者が「あの人は仕事ができるから任せておこう」と考えてしまうと、属人化はどんどん進みます。

もちろん、できる人に任せたくなる気持ちは分かります。
でも、それを続けていると、できる人は疲弊して、周りは育ちません。

管理者が見るべきなのは、
誰が頑張っているかだけではなくて、

  • その仕事を他の人もできるか
  • 判断基準が共有されているか
  • 休んでも回る状態か
  • 新人が段階的に成長できるか

こういうところだと思います。

属人化を防ぐというのは、できる人を評価しないことではありません。
できる人の力を、部門全体に広げていくことです。

まとめ

水産部門の属人化を防ぐには、特別な魔法があるわけではありません。

必要なのは、

  • 技術を見える化すること
  • 判断基準を共有すること
  • 一人しかできない仕事をなくすこと
  • 教育を仕組みにすること
  • 個人ではなくチームで回す発想を持つこと

このあたりです。

水産部門は、どうしても技術や経験の差が出やすい仕事です。
だから放っておくと属人化しやすい。
でも逆に言えば、そこを意識して共有していけば、部門はちゃんと強くなります。

「あの人がいないと無理」ではなく、
「誰が入ってもある程度回る」状態を作れるかどうか。

人手不足の時代だからこそ、ここはかなり大事だと思います。

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